令和6年2月 さいたま市議会 市民生活委員会 議案外質問
(1)令和6年能登半島地震に伴う被災地での災害ごみ収集運搬支援について
(2)行政代執行の内容と今後の対応について

公明党さいたま市議会議員団の斉藤健一です。それでは、通告に従いまして質問させていただきます。

1、令和6年能登半島地震に伴う被災地での災害ごみ収集運搬支援について。
初めに、本年元日の16時10分に石川県能登地方でマグニチュード7.6の「令和6年能登半島地震」が発生しました。この地震でお亡くなりになられた方は240名を超え、家を失い、避難生活をしている方は1万2,916人と大被害をもたらしました。改めてお亡くなりになりました皆様にお悔やみと、避難者の皆様にお見舞いを申し上げます。
地震発生から1か月半が過ぎました。この間さいたま市としても支援対策会議を設置して、被災地での支援活動に当たってまいりました。市民生活委員会の所管であります環境局では、被災地での災害ごみ収集運搬支援として、1月31日水曜日の午前6時30分に職員6名が3台の車両に分乗し、東部清掃事務所を出発しました。職員6名体制で8日ごとに交代で、2月7日水曜日には、第2陣が現地入りし、第1陣から業務や車両を現地で引き継ぎましたと市のホームページに掲載されております。今は、第3陣が現地で引き継いで活動を行っていただいていることと思います。
このたびの被災地に派遣隊として支援活動を行っていただいている全職員の皆様に感謝と御礼を申し上げます。どうか自分自身の健康管理に十分留意して、現地での作業を無事故で行っていただきますようお願い申し上げまして、質問に中身に入らせていただきます。
(1)支援内容について、このたびの大規模災害への災害ごみ収集運搬支援として、被災地現場に入られて、現地の状況と実際の作業内容の状況について伺います。
特に、想定外のこととして、現地に入って分かったこと、知ったことなどがありましたら、ぜひそれもお聞きしたいと思います。

○資源循環推進部長 ただいま斉藤健一委員の御質問の1、(1)支援内容について、支援の状況及び現地に入って分かったこと、知ったことにつきまして、私の把握している範囲でお答えさせていただきます。
現地の作業につきましては、避難所から排出されるごみを収集し、廃棄物処理体制が稼働している金沢市の東部環境エネルギーセンターという施設に運搬するということが、日々の基本の作業になっております。
本市が支援しております主な地域は、最初のうちは珠洲市ですとか、穴水町、それから徐々に輪島市の方に移りまして、第2班はほぼ輪島市の門前地区及び輪島市の東部というところを作業しております。
作業の現地に入ってよく分かったことですけれども、あらかじめ想像はしておったのですが、今回の地震で大変被害の大きい地区をお任せしていただいているということで、通行止めですとか、通行できるところでも道路の損傷が非常に激しく、法定速度も出せないような状況で収集、運搬していることと、道路が限定されており、いろいろな復興支援の車両が入っておりますので、非常に渋滞してしまうということです。あと、現地の廃棄物処理施設の多くが停止しておりまして、特に能登北部の方は全ての廃棄物受入れ施設が停止しております。そういったことから、収集した先、場所によりますが、収集してから搬入する金沢市の工場まで2時間以上かかりますということで、1日1回回収して1往復、それで1日のスパンになってしまうことでございました。

○斉藤健一委員 本当に現地に入られて、ごみ収集の仕事は、普通にごみ収集でも大変な仕事だと思いますけれども、そのように道路が損壊だとか、なかなか移動できない、また、そういう中での作業ということで、想像以上に大変な御苦労があると、今聞いて感じました。
次の質問に入りますも、(2)災害ごみ収集の課題と対策について。
石川県は、能登半島地震による災害廃棄物が推計240万トンに上ると発表しています。これは石川県のごみの排出量の約7年分に相当するとのことです。この災害廃棄物は、主に倒壊した建物の廃材などです。本市においても大規模災害への廃棄物処理については、今定例会の代表質問に対して、令和5年3月に改定いたしましたさいたま市災害廃棄物処理計画では、約465万トンの災害廃棄物が発生いたしまして、平時の約11年分に相当するごみの量を想定しています。災害廃棄物の速やかな撤去と処理は、迅速な復旧、復興に欠かすことのできない重要な課題であると認識しております。本市では、同計画に基づき、あらかじめ協定を締結しました市内の廃棄物収集事業者17社に協力を要請するとともに、被災の状況に応じて環境省が主催するD.Waste—Net等を通じて、全国の自治体に運搬から処理までの支援を要請することを想定しておりますと。また、今回の能登半島地震におきまして、災害廃棄物の撤去と処理が大きな問題の一つになっていることから、これを教訓に現在の想定を再度検証しまして、国や全国都市清掃会議に加盟する自治体、関係団体と連携を強化し、平時から災害に備えてまいりたいと考えておりますとの答弁がありました。
地震災害は、さいたま市においても、今日起きるかもしれません。再検証はできるだけ早くお願いしたいと思います。ただし、このたびの災害ごみの収集ごみは、(1)の答弁で主に避難所生活から出されたごみの運搬支援と伺いました。もし本市においても、能登半島地震と同様に、大規模災害が発生した場合、避難所は何か所で、避難生活者は何人を想定しており、そして、避難所から出されるごみの量と収集場所、そしてごみの運搬と処理について、今現在どのような対策を考えられているのか、伺いたいと思います。
また、避難所からのごみの出し方についても、災害ごみ収集運搬支援を行ってきていただきました支援する側の視点での対策についても伺いたいと思います。

○資源循環推進部長 斉藤委員御質問の1点目。どのぐらいのごみが出る想定でということなんですけれども、本市の計画では、避難所ごみにつきましては、初期段階につきましては、大体合計でおおむね1日105トンぐらいの。応急対応していくと、徐々にごみの量が増えてまいりますので、質も変わってまいりますが、大体それが1日116トンぐらい。復興支援の方々が入って、それが本格化してきますと、大体1日やはり105トンぐらいというふうに想定しております。
続きまして、支援する側の想定という、支援していただく方、一般質問の答弁とも若干重複するところがありますが、全国都市清掃会議の方を通じまして、そこでこういう応援が欲しい、こういったごみが出るので、なるべくこういった車両で来てほしいといったようなことを、環境省会議の方を通じて情報を流し、支援をいただくことになりますが、支援に来ていただく場合に、支援に来ていただくことも長期化になると思いますので、まず活動拠点となる宿泊できる施設の確保ですとか、あと、支援来ていただく前に、水道ですとか、そういうライフラインが完全に止まっている状況ですと、数多くの支援者も頼めないということもございますので、被害状況、復旧状況を鑑みながら、何人ぐらいでしたら、受け入れられるということを環境省とかと調整しながら、お願いするようなことになると想定します。

○斉藤健一委員 今の答弁も大変ありがたいのですけれども、もう一度、私聞きたかったのは、実際に支援に今回災害地に行かれて、避難所生活されている方のごみの収集をしていただいていると思います。実際にもし本市でそういう状況になったときに、いわゆる避難所生活からごみを収集する側から見たときに、どういう出し方をしてもらうと、スムーズにできるのか。いわゆる避難所生活のごみの出し方の方ですね。それを支援する側の視点で、事前にこういうお願いをしておくと、作業がスムーズにいきますとか、何かもしそういうのがあれば、伺いたいと思います。

○資源循環推進部長 ただいまの御質問にお答えいたします。
避難所生活される方、避難所に支援をした者から聞き取りの範囲ですけれども、ごみは、可燃物、あと主に生ごみが出ますと、あと缶詰の缶ですとか、あと高齢者の方のおむつのようなもの、そういったものが出ます。やはりどうしても、衛生上臭いを大変放つものですとか、水分を多く含むものとかございます。そういった圧縮すると破裂するようなおそれがあるようなものはここ、そうじゃないものはここというふうに明確に分かると、パッカー車に積む順番とかというのもあって、スムーズに円滑に入れられるということもあるので、そういったこともお願いできればありがたいとは思っております。

○斉藤健一委員 今回の支援で得られた知見を、ぜひともさいたま市においての災害に役立てていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
2番の質問に移ります。1月15日の産業廃棄物に係る行政処分について。
(1)行政処分を行った理由と周辺住民の生活環境保全上の支障について伺います。
このたびの行政処分は、昨年6月定例会の議案外質問をさせていただきました旧荒井産業跡地に、約20年以上も放置されたままになっている産業廃棄物処理施設に対しての行政処分であります。場所は、蓮田市より見沼区を流れている綾瀬川の川岸にさびれた鉄塔として立っていまして、いつか必ず倒壊すると言われています。有害物質が堆積したままの産業廃棄物処理施設です。こちらがその施設の写真です。
これは皆様に2回目の提示になります。もう一回思い出していただきたいと思いますけれども、本当にこの川の真上に立っていまして、ある意味では地下水を通して川に少し流れているのではないかと、そういう疑念を持たれ長時間放置されたままの産業廃棄物処理施設であります。昨年6月の議案外質問で、令和4年に有害物検査を行いまして、残置されました焼却灰などから、特別管理産業廃棄物に該当いたしますカドミウム、鉛、ダイオキシン類といった、基準値を超える有害物質が検出されておりまして、煙突などが倒壊した場合には、付近を流れる綾瀬川下流域への飛散・流出が懸念される状況でございますと答弁されました。本当にこのまま地震等で綾瀬川に倒壊しましたら、取り返しのつかない環境汚染が発生いたします。今回の行政処分の内容は、施設の完全撤去ではなく、産業廃棄物焼却施設及びその附帯設備に付着及び残置されているばいじん等の飛散・流出を防止する処置を講ずることになっています。
周辺住民の皆さんは、旧荒井産業跡地の産業廃棄物処理施設に対して、市が行政処分を行ったことについては評価しておりますが、撤去処分ではないので施設倒壊の不安が残っています。そこで、20年以上も放置された産業廃棄物処理施設がこのたび行政処分に至った理由と、もし行政処分を行わない場合の周辺住民の生活環境保全上の支障とは、どのような支障が想定されるのか、その支障内容について伺います。
あわせて、処分内容が施設撤去ではなく、ばいじん等の飛散・流出を防止する処置を講ずることにした理由についても伺います。

○資源循環推進部長 斉藤健一委員の御質問に順次お答えいたします。
まず、処置に至った理由でございますが、行政処分を行った理由と、このたび行いました行政処分は、岩槻区大字平林寺に長年にわたって放置されている産業廃棄物焼却施設の内部に付着及び残置されているばいじん等につきまして、廃棄物処理法の規定に基づき、飛散・流出を防止する措置を講ずるべきことを関係者に対して命令したものです。
そこに至った経緯、理由でございますが、まず当該施設は、産業廃棄物処理業の許可を有していた有限会社荒井産業が平成2年に設置いたしました。しかしながら当社は、度重なる産業廃棄物の保管基準違反や処理基準違反により、平成12年に埼玉県知事から産業廃棄物処分業の許可の取消処分を受けることとなってしまいました。その後も同社が有していました土地の競売が行われまして、所有権が移転した後も解体及び撤去されることなく放置されています。当該施設は設置後30年以上が経過しており、適切な維持管理も行われていないことから、全体的に老朽化が進んでおります。
令和4年3月に行った調査では、おおむね500年に一度起こり得る程度の大地震があれば、煙突本体の倒壊のおそれがあるという結果が出ました。さらに、令和5年3月に行った有害物質調査、これにおきましては、焼却施設内部のばいじんなどから、特別管理産業廃棄物に相当する量のカドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物、ダイオキシン類が検出されました。これらが周辺住民に飛散・流出してしまうおそれがあると認められることから、今回の措置命令の発出に至った理由でございます。
次に、行政処分を行わなかった場合の生活環境保全上の支障につきましては、現時点で既に支障が生じていると断定しているというわけではありませんが、当該焼却施設は、完全に密閉されているわけではなく、複数の開口部が存在しているため、将来的にこれらの開口部から内部の有害物質が飛散、または流出するというおそれがございます。また、当該施設の隣には、委員御指摘のように農業用水としても利用されている綾瀬川が流れており、今後、大地震等による焼却施設の著しい損傷や倒壊といった不測の事態によって、大量のばいじんなどが綾瀬川に流出し、周辺の農業にも甚大な被害を及ぼすおそれがございます。このような生活環境保全上の支障のおそれをこれ以上放置し続けるということは、適切ではないことから、将来に向けて周辺住民の不安を取り除くためにも、支障のおそれ、これを除去する必要があるものと認識しております。

○斉藤健一委員 最後の質問になります。(2)行政代執行の内容と今後の対応について。
措置の期限として、着手期限と履行期限が明記されていますが、履行する見込みがないと判断した場合は、法に基づく行政代執行により、本市において支障のおそれの除去を行うことも視野に入れていますと発表されております。まず、履行する見込みがないとする判断は何をもって判断するのでしょうか。
また履行する見込みがないと判断した場合は、法に基づいて行政代執行も視野に入れてあります。この場合の行政代執行とは、どのような手続で行政代執行が進むのか、また市の負担割合についても伺います。
また行政代執行の内容について、ばいじん等の飛散・流出を防止する措置だけではなく、施設そのものも完全撤去処分まで行うことは可能か伺いたいと思います。
そして、処分対象者が命令に違反した場合の罰則として、5年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金、またはその両方の併科と規定されていますが、履行する見込みがないと判断されれば、直ちに市は告訴することなのか、そして行政代執行の費用請求も処分対象者にできるのか伺いたいと思います。

○資源循環推進部長 (2)行政代執行の内容と、関係する質問につきまして、順次お答えをさせていただきます。
まず措置の内容が適切かどうかを確認することですけれども、今回の措置命令に当たりましては、処分対象者に対して措置の履行に着手する前に、具体的な方法、工事の見積り、まずそういったことを説明するところからスタートいたします。
次に、それを履行する見込みがない場合の判断でございますが、今回の命令では、着手期限を令和6年3月14日までとしており、処分対象者がこの期限までに計画書、自分で措置命令に対してのその除去の具体的な方法、工事費用の見積り、資金計画などの計画書を提出しない場合、これは命令を履行する見込みがないものとそこで判断させていただきます。また、仮にそういった履行計画書を提出し、承認を受けたとしても、正当な理由なく着手期限10日以内に開始しなかった場合、開始した措置の内容が不十分なものであると判断した場合についても、やはり命令を履行する見込みがないものと判断させていただきます。
措置命令を履行する見込みがないと判断した場合は、廃棄物処理法に基づく行政代執行により、本市において支障のおそれを除去することとなります。仮に行政代執行に移行した場合の内容ですが、飛散・流出防止措置の方法として、一般的には施設の洗浄を行うことが考えられるのですが、他の事例、他県におきます同様の事例では、洗浄を行っても数年後にまた有害物質が検出されてしまったという事例もございましたので、根本的な解決のためには、焼却施設そのものを解体及び撤去することが、委員御指摘のとおり最も望ましいとは考えております。
そのため今年度は、もし解体する場合を想定した解体に係る基本設計を行うための、そういった業務委託などを予算計上しておりまして、当該業務において解体工事に係る基本的な計画の作成と解体工事に必要な概算工事費用を算出していくということになります。
最後に、責任追及ですとか、刑事責任、そういったことについてなんですけれども、対象処分者への責任追及についてですが、まず行政代執行に要した費用については、措置命令のヒガイメイシャに対して負担させることができるとされておりますので、まずこちらの方を相手に求めておきまして、告訴というよりは、そちらの方をまず先に行政としては求めてまいりたいと。処分対象者に対して適切に求償していくべきと考えております。

○斉藤健一委員 2点ほど再質問させていただきます。
もし行政代執行せざるを得ない状況になったときには、周辺住民の皆さんは、ぜひ施設そのものの撤去をお願いしたいと強い要望が出ておりますので、ぜひそのように検討をお願いできればなと思います。
また、例えばの話になって申し訳ないのですけれども、行政代執行で土地が更地になった場合のその土地の所有者というのは、誰のものになるのか、分かれば伺いたいと思います。
また根本的にこの状態をつくった監督責任は、答弁ではありましたけれども、当時の埼玉県がきちんと監督をしていなかったからここまで至ったものだと、関係者はみんなそう思っています。であるならば、埼玉県にもそれ相応の責任と負担について要望を行う予定はあるのか伺いたいと思います。

○資源循環推進部長 まず、再質問の1番目、土地の所有関係ですけれども、仮に将来的に撤去が進んで更地になったとして、土地の所有者は変わらない前提でございます。所有権は変わらないということです。
二つ目の埼玉県に対してですけれども、委員御指摘のとおり、当該焼却施設の放置は、本市が埼玉県から産業廃棄物行政に関する移譲事務を受ける前に発生していた事案であるのですが、そもそも当該施設の撤去義務は一義的には設置者である有限会社荒井産業及び競売によってその物件を取得いたしました者が行うべきであり、埼玉県に対しては、監督者であったことを理由にして責任を求めることは、ちょっと法律の根拠に、なかなか乏しい点があるものと考えております。しかしながら、あくまで道義的責任の観点から、除去ですとか撤去に関する技術的な助言や、あるいは財政面での支援要請などを行っていくことについては、今後の課題と考えておりますので、引き続き埼玉県と協議してまいります。

○斉藤健一委員 もし行政代執行で撤去処分して更地になっても、土地の所有者は変わらないと。
周辺地域の団体から、更地になってまた有効活用できる土地になったら、この土地を転売して利益を得ようと思った場合にできてしまうと。その場合は、先ほど行政代執行をした場合の費用の損害賠償請求をするとありましたので、土地所有者が負担を負うことなく、何もしなくても行政代執行してもらえば更地にしてもらえる、そしてその土地を売ってしまえば利益が得られるなど、本来処分を受ける土地所有者が利益を得るようなことにならないように、きちんと責任をしっかり果たしてもらうように、旧荒井産業の産業廃棄物処理については、市が責任を持って、目に見えるような形での対応を強くお願い申し上げまして、私の質問は終了いたします。