1、教職員を保護者等によるカスタマーハラスメントから守る体制の構築
2、病児保育WEB予約システムの導入
3、放課後児童クラブにおける長期休業中の昼食提供支援

令和8年9月定例会 子ども文教委員会:議案外質問

1、教職員を保護者等によるカスタマーハラスメントから守る体制の構築
○斉藤健一委員 公明党の斉藤健一です。1、教職員を保護者等によるカスタマーハラスメントから守る体制の構築について質問いたします。学校と保護者は、子供の成長を共に支えるパートナーであり、大多数の保護者は学校と良好な関係を築いてくださっております。だからこそ、ごく一部の社会通念上、許容される範囲を超えた行為から、教職員を組織として守る仕組みが必要であります。
文科省の令和6年度調査では、精神疾患による休職者は7,087人、病気休暇を含めると1万3,310人、年代別では30代が0.95%で最も高く、教員のメンタル不調は若手に限らず、幅広い年代で深刻化しています。本市でも、保護者対応をきっかけに療養に入られた教職員の事例を伺っております。
本年4月に市の基本方針、7月に県の防止条例が施行され、来る10月1日には改正労働施策総合推進法により、事業主に防止措置が義務づけられています。6月定例会では、我が会派での小森谷議員が保護者対応ガイドラインを求め、教育委員会は検討を進めていると答弁されました。その後の検討状況について以下3点伺います。
第1に、教職員向けのハラスメント対策指針、マニュアルについてです。市教職員向けの基準を学校現場にそのまま当てはめることはできません。学校現場の意見を踏まえた実効性のある指針を速やかに策定すべきと考えますが、策定時期の見通しを伺います。
あわせて、暴行や脅迫といった犯罪行為に至るおそれのある事案への対応、面談時の録音の取扱いなど、具体的な判断基準と対応手順、記録の徹底を明示したマニュアルの整備と運用開始の時期、さらに教職員研修についてお考えを伺います。
また、この取組が学校と保護者の良好な協力関係の構築につながることを保護者、地域に前向きに周知すべきと考えますが、その方策も伺います。
第2に、保護者対応におけるスクールロイヤーの活用です。本日最も強く申し上げたい点でもあります。現行のスクールロイヤーは、学校や教育委員会に対する法的な助言が中心であり、学校の代理人として相手方と直接話すことも、面談に同席することもできません。助言だけでは、矢面に立つのは教職員本人であります。
6月の御答弁では、研究を進めたいでありました。今必要なのは、研究ではなく、制度設計であります。スクールロイヤーの役割を拡充するのか、それとも学校を直接支援する新たな仕組みとして構築するのか、その方向性と検討状況を伺います。
第3に、学校の電話対応です。本庁舎では、自動録音が導入されていますが、市立学校に統一的な配備はありません。録音告知のアナウンスと通話録音は、やり取りの透明性を高め、双方に冷静な対応を促すとともに、教職員の心理的負担の軽減にも資するものです。
市立学校への自動録音応答メッセージ機能付電話の設置について、本市の認識と導入に向けた今後の取組を伺います。指針はつくって終わりでは意味がありません。研修による定着とそれを支える教育委員会の体制強化を強く要望し質問といたします。

○学校教育部長 斉藤健一委員の御質問の1、教職員を保護者等によるカスタマーハラスメントから守る体制の構築について、(1)教職員向けハラスメント対策指針、マニュアルについてお答えいたします。委員御指摘のとおり、教育委員会といたしましても、教職員向けカスタマーハラスメント対策指針及びマニュアルについては、速やかに整備するべきものと認識しております。
現在、校長会を通じて把握した学校現場の意見も踏まえながら、実効性のある指針の策定を進めております。その上で、令和8年10月に、さいたま市立学校におけるカスタマーハラスメントへの対応に関する指針を策定する予定でございます。
また、指針の趣旨が学校と保護者との良好な協力関係の構築につながるよう、保護者、地域向けのリーフレットや学校掲示用ポスターを活用し、丁寧な周知、啓発を行ってまいります。
さらに、具体的な判断基準や組織的な対応手順、記録の徹底等を明示した対応マニュアルを整備し、令和9年4月から運用を開始してまいります。
また、暴行や脅迫等の犯罪行為、またはそのおそれがある事案への対応のほか、面談時の録音の取扱いについても定めてまいります。加えて、令和8年度末から教職員研修を実施し、全ての学校で組織的に対応できる体制の整備を進めてまいります。
次に(2)スクールロイヤーの役割拡充についてお答えいたします。本市のスクールロイヤーは、学校や教育委員会に対し、法的な見地からの助言を行うことを主な役割としております。一方で、教育委員会が現在検討しております新たな弁護士による支援は、保護者対応において、学校を直接支援し、事案の円滑な解決を図ることを目的とするものでございます。
このため、学校や教育委員会に対して、法的助言を行うスクールロイヤーとはその役割を異にするものでございます。したがいまして、スクールロイヤーの役割を拡充するというよりも、学校を支援する新たな仕組みとして制度設計を進めているところでございます。
次に、(3)自動録音応答メッセージ機能付電話の設置についてお答えいたします。電話の録音告知アナウンスや通話録音は、やり取りの透明性を高めるとともに、双方に冷静な対応を促し、円滑なコミュニケーションにつながるものと認識をしております。そのため、市立学校への導入は、教職員の心理的負担の軽減や学校運営の安定に資する重要な方策であると考えており、導入に向けた取組を着実に進めてまいります。
その上で、正当な御意見や御要望には真摯に対応しながら、社会通念上、許容される範囲を超える行為に対しては、組織として適切に対応してまいりたいと考えております。こうした取組を通じて、教職員が安心して子供たちの教育に専念できる環境の実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

○斉藤健一委員 御答弁ありがとうございました。1点、再質問させてもらいます。自動録音応答メッセージ機能付の電話の設置については、着実に進めると答弁がありました。
指針は本年10月、マニュアルは令和9年4月から動き出します。この工程に合わせるためには、令和9年度予算で全校配備を実現するお考えはあるのか、予算措置について伺いたいと思います。

○学校教育部長 お答えいたします。予算等に関わることなので、明確なお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、なるべく速やかに、早く導入できるように努めてまいりたいと考えております。


2、病児保育WEB予約システムの導入
○斉藤健一委員 公明党さいたま市議会議員団の斉藤です。2番、病児保育WEB予約システムの導入について質問いたします。病児保育の予約方法のDX化、WEB予約システムの導入について伺います。
先日、区内で子育てをされている保護者から切実な御相談をいただきました。朝、子供が高い熱を出し、勤務先に連絡を入れながら受付開始と同時に病児保育室へ電話をかけると、何度かけても話し中で、ようやくつながったときには既に定員に達していた。やむを得ず仕事を休むほかなく、そうした日が月に何度も重なり職場にいづらくなってしまったというお話を伺いました。制度はあるのに使えないと、共働きの保護者から相談を受けました。
同じような声は決して 一人や二人ではありません。空いているかどうか、電話かけてみるまで分からない。勤務中に電話をかけられず予約が取れない。キャンセルが出ても知らせてもらえない。子供の急な発熱という保護者が最も追い詰められる場面で、その入り口である予約の手段が電話に限られていることが、そのまま子育て世帯の負担になっております。
電話がつながった方から順に埋まるという点では、予約機会の公平性という面でも課題があると考えます。一方市内では本年4月に開設された病児保育室において、WEB予約システムが導入されていると伺っております。全国でも空き状況のリアルタイム表示、24時間の予約受付、キャンセ ル待ちの繰上げ通知といった機能を備えたシステムが広がり、自治体単位で複数の施設を一括して管理する事例も増えております。そこで3点伺います。
第1に、市内の病児保育室におけるWEB予約の導入状況と、保護者から寄せられているこうした声を市はどのように認識しているのか。
第2に、空き状況のオンラインでの確認や24時間の受付など、WEB予約システムを導入する必要性について、市の見解を伺います。
第3に、既に導入している施設の運用状況を踏まえ、モデル導入や実証実験によって、市全体への展開を図ることは可能と考えますがいかがでしょうか。
予約のDX化は、保護者の利便性の向上にとどまらず、施設側の電話対応の負担軽減にもつな がります。子ども未来局の前向きな答弁を求め、質問といたします。

○子育て未来部長 斉藤健一委員の御質問の2、病児保育WEB予約システムの導入についてお答えいたします。まず(1)市としての現状認識でございますが、令和8年9月時点におきまして、本市内の病児保育室は12施設ございます。そのうち令和8年4月より開設いたしました病児保育室けいあいはうすにおきまして、自主的にWEB予約システムを導入しております。そのほかの施設におきましては、WEB予約に関する利用者の皆様からの御要望はこれまでもいただいているところではございますが、子供の安心安全な保育の確保のためには、受付の際に病状を細やかに聞き取る必要があるなどの施設の意向もあることから、現状といたしましては電話による予約としているところでございます。
次に(2)WEB予約システム導入の必要性については、委員御指摘のとおり空き状況のオンライン上での確認や24時間受付など、利用者の皆様の利便性が大きく向上するものと認識しております。
最後に(3)モデル導入実証実験の可能性についてでございますが、これまでもWEB予約システム導入については、施設との意見交換、それから導入費用の算出など検討を行ってきたところでございます。今後につきましては、既にシステムを導入している施設でのその運用状況を確認するとともに、他の施設との懇談会などの場において共有し、施設からの御意見も踏まえつつ、他自治体の事例ですとか財政上の課題等を勘案しながら、市全体のWEB予約システムの導入について検討を進めてまいります。

○斉藤健一委員 1点再質問させてもらいます。 いわゆる現在は、電話による予約になっています。これは受付の際に病状は細かく聞く必要があるからという答弁でございました。 例えば、WEB予約はあくまでも仮予約にしていただいて、その後電話で聞き取って、そういう症状でしたらうちで預かりますという本予約にすることも可能だと思うんですけれども、 そういうのも含めて導入に向けての見解を再度伺います。

○子育て未来部長 再質問にお答えさせていただきます。 施設からは、これまでシステムを導入した場合のシステムトラブルの対応が体制上困難ですとか、先ほど申し上げたとおり、病状や感染症対策を考慮するので細やかな聞き取りを直接行いたいという意見がございます。 そういったことも踏まえながら今後、今実施しております施設の実施状況を確認しながら検討をさらに進めてまいりたいと考えております。

○斉藤健一委員 ぜひモデル事業なども進めていただければと思います。


3、放課後児童クラブにおける長期休業中の昼食提供支援
○斉藤健一委員 3、放課後児童クラブにおける長期休業中の昼食提供支援について質問いたします。夏休み等の長期休業中、毎朝のお弁当づくりは共働き家庭の就労継続を阻む夏休みの壁と言われております。
先日、見沼区の保護者会が運営するクラブのお母さんから切実な御相談をいただ
きました。役員になった途端、誰がどの弁当を頼むのかの集計、アレルギー情報の確認、現金の集金まで全て手作業で担うことになりました。仕事を続けるために学童を利用しているのに、集金当番のために出社を遅らせ、仕事を休まざるを得ない、これが本末転倒ですと共働きの保護者から訴えられました。
本市の民設クラブでは、約7割が昼食の提供を実施していると承知しております。しかし、その提供を現場で支えているのは、こうした保護者の善意と目に見えない負担であります。個人の努力に委ねるのではなく、行政の仕組みで解決すべき構造的な課題であると考えます。そこで、3点伺います。
第1に、昼食ウェブ発注システムの導入についてです。横浜市では、保護者がスマートフォンから直接注文・決済できるシステムを全市で導入し、現金の集計、集金作業をゼロにしております。昼食提供事業者が運用する発注システムとの違いも含め、本市における導入の可能性について見解を伺います。
第2に、配送公費助成と減免制度についてです。保護者負担の軽減に向け、配送費等に係る公費負担の在り方、また、生活保護世帯や就学援助世帯に対する減免制度について、他都市の事例を踏まえ、どのようにお考えか伺います。
第3に、食中毒とアレルギー誤食を防ぐチェック体制についてです。奈良市では、ウェブ上でアレルゲンを表示し、特定原材料を使わない日を設けるなど、システムと運用ルールで課題を乗り越えております。クラブ職員の役務負担を増やさない形で安全性を高めるチェック体制をどう構築されるのか、見解を伺います。
冒頭に紹介したお母さんの声は、決して特別なものではありません。研究を進めて頂くことは当然といたしまして、来年の夏休みに向け保護者負担の軽減につながる具体的な一歩を示して頂くことを強く要望し、質問といたします。

○子育て未来部長 斉藤健一委員の御質問の3、放課後児童クラブにおける長期休業中の昼食提供支援について、(1)昼食ウェブ発注システムの導入について、(2)配送公費助成と減免制度について、(3)食中毒とアレルギー誤食を防ぐチェック体制については、関連がございますので一括してお答えさせていただきます。
学校長期休業中の夏休みの放課後児童クラブにおける昼食提供につきましては、現在、本市の民設放課後児童クラブにおきましては、施設内で調理し昼食を提供しているクラブ、注文を取りまとめて昼食提供事業者への発注を行っているクラブなど、約7割のクラブにおいて昼食の提供を実施しているところでございます。
また、委員御紹介の他市の取組のように昼食提供支援の全市的な導入につきましては、食中毒の予防ですとか食物アレルギー対応に係るクラブ職員の業務負担の増加などの課題もあると認識しているところでございます。
一方で、委員御提案の昼食ウェブ発注システムの導入や配送費の公費助成の実施と減免制度の創設、食中毒とアレルギー誤食を防ぐチェック体制の構築などにつきましては、昼食提供支援の全市的な導入の可能性を考えていくに当たり、いずれも保護者の負担の軽減や安全性の向上につながるものと考えております。
今後につきましては、他市が導入している昼食ウェブ発注システムと昼食提供事業者が運用している発注システムの違いですとか、クラブにおける昼食提供に係る公費負担の在り方、食中毒やアレルギー誤食を起こさせないための有効な取組など、他自治体の実施状況を踏まえながら本市の実情に応じた学校長期休業中の昼食提供について、さらに研究を進めてまいります。
あわせてでございますが、委員御紹介いただきました現場の実態の対応については、まずは本市が把握しております、スマートフォン等により各家庭から昼食を直接発注している事例を各クラブへ御紹介することによりまして、保護者会が運営するクラブにおける昼食提供に係る負担の軽減につなげてまいりたいと考えております。

○斉藤健一委員 御答弁ありがとうございます。本来は保護者が、子供を安全に安心して預けて仕事に行ける体制がこの児童クラブだと思いますので、そこが本末転倒にならないように、そこで大変な児童クラブに関してはしっかりこまめに寄り添った支援をお願いしたいと申し上げて、私の質問は以上といたします。