
○斉藤健一委員 公明党の斉藤健一です。それでは、1番、障害者の就労支援の就労継続支援A型事業所の課題について質問いたします。
A型事業所は、一般就労にはまだハードルが高く、雇用契約を結ばないB型では生活が成り立たないというはざまで苦労される障害者にとって、なくてはならない重要な社会インフラです。失われれば生活保護への移行が増え、長期的には社会全体のコスト増を招きます。
しかし、令和6年度報酬改定によるスコア方式の見直し、最低賃金の急速な上昇、埼玉県は1,141円、物価高騰、そして2029年からの社会保険加入義務化が重なり、まじめに取り組む事業者ほど経営が苦しくなる構造的矛盾に直面しています。
本来A型事業所の目的は一般就労への移行ですが、優秀な利用者を送り出すほど事業者の生産性が落ちて補助金が減るというジレンマがあります。また、挨拶や自己管理など、職員が心血を注ぐ社会性の育成という福祉的支援のプロセスが、現行制度では正当に評価されず、事業者が営業や赤字補塡のための生産活動に追われて疲弊しています。
事業所が本来の福祉的支援にしっかりと集中できるよう、市としての力強い経営支援を求め、以下4点伺います。
第1に、一般就労促進と経営困難の矛盾や、僅か1円の差で評価が分かれる壁型評価への認識と評価基準の段階化やプロセス評価の導入など、国への制度改善要望について伺います。
第2に、市及び外郭団体から直接発注の拡大と、市場価格とかい離した不当な圧迫を防ぐため、適正単価での受注交渉を支援、指導する仕組みの整備について伺います。
第3に、福祉貢献企業への認定マーク付与や市の調達優遇処置、マッチング機能強化といった民間発注を強力に促すインセンティブ施策について伺います。
第4に、2029年の社会保険義務化に伴う年間約400万円の負担増への影響認識と、市独自の経営相談、財務支援体制の強化及び国への特例処置の要望について伺います。
障害のある方々が安心して社会に参加できる環境を守るため、総合的な支援策を推進するお考えがあるか、市の御答弁をお願いいたします。
○障害福祉部長 斉藤健一委員御質問の障害者の就労支援、(1)就労継続支援A型事業所の課題についてお答えします。
評価制度の見直しについては、就労継続支援A型事業所について、一般就労へ移行する方が増え、事業所内で質の高い労働が確保できず経営が難しくなっている状況があると認識しております。
また、現行の評価制度においては、収益の確保が求められる一方で、利用者一人ひとりに応じた支援や働く力を育てる取組が欠かせないことも重要であると考えております。
委員御指摘のとおり、評価基準の段階化やプロセスの評価など、福祉的支援の過程が十分に評価されたい点も承知しており、生産性に重きが置かれた評価では必ずしも十分でないと考えております。
こうした状況を踏まえ、国においても現在、就労継続支援A型事業所の在り方について議論が進められているところであり、本市といたしましては国の動向を注視してまいりたいと思います。
②障害者優先調達における発注機会の拡大については、総合振興計画において前年度を上回る調達件数を各年度の目標として定めており、その目標達成に向け、庁内会議など様々な機会を捉え、その積極的な活用を各局に周知しているとともに、円滑に調達が行えるよう特定随意契約者名簿を整備し、障害者就労支援施設等の受注機会の拡大に取り組んでおります。令和7年度は、さらにこれまでの調達実績を事例集としてまとめ、全庁に共有する取組を新たに行ったことで、年間目標を大幅に上回る調達実績を確保できたものと考えております。今後も、こうした取組を通じて障害者優先調達を推進してまいります。
③社会保険適用拡大の対応につきましては、委員御指摘のとおり、事業所の経営に影響があるものと認識しておりますが、この問題は全ての業種に影響が見込まれることから、まずは国の動向を注意して、するとともに、必要に応じて国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
○斉藤健一委員 特に障害者優先調達については、目標達成は大変結構だと思いますけれども、それに満足することなく取組をお願いしたいと申して、次にいきます。
2番、聴覚障害者等への支援の電話リレーサービス及びヨメテルの導入補助について、本市のノーマライゼーション条例の理念に基づき、全ての市民が障害者の有無にかかわらず安心して暮らし、円滑にコミュニケーションを図れる社会の実現を目指し、質問をいたします。
現在、人口の1割以上が日常生活で聞こえにくさを感じていると推計されています。こうした方々にとって、電話というインフラが巨大な壁となっており、過去には緊急時のやり取りにタイムラグが生じ、貴い命が失われた痛ましい事例も報告されています。
この課題を解決するため、2021年に公共インフラとして電話リレーサービスが開始され、さらに2025年1月からは、相手の声をリアルタイムで文字表示する画期的な新サービス、ヨメテルが導入されました。本サービスは、身体障害者手帳がなくても、加齢性難聴等の方が無料で登録でき、命を守るセーフティネットとして極めて重要です。全国では、鳥取県や東京都千代田区のように利用者の通話料を負担する地域登録やスマートフォン等の購入費助成を行う自治体が広がっています。
また、熊本や札幌市では、職員向けに法人登録を行い、障害のある職員の活躍を後押ししています。
本市には約3,000人の聴覚障害者がおられ、手帳を持たない高齢者を含めれば、さらに多くの方が支援を必要としています。本市の条例を進化させるため、以下3点について見解と今後の取組を伺います。
1、地域登録の導入と普及啓発について。聞こえに不安がある方が安心してサービスを利用できるよう、通話料を市が負担する地域登録制度を導入すべきと考えますが、見解を伺います。また、必要な市民へどのように普及啓発を進めるのかも伺います。
2、端末購入補助について。障害者の障壁となる端末所持や操作のハードルを下げるため、八王子市では障害を賄うための専門的なアプリケーションを導入、設定することを必須条件として、厚労省や東京都から給付可能との回答を得て補助を行っています。本市も日常生活用具給付の枠組みを活用した端末購入補助を実施できないか伺います。
3、法人登録及び手話リンクの導入について。障害のある市職員の環境整備として法人登録を行い、業務での電話利用を公費支援する考えはありますか。また、埼玉県では、既に手話リンクが導入されています。本市においても公共施設やウェブサイトへ遠隔で手話通訳につながる手話リンクを早急に導入すべきと考えますが、見解を伺います。
誰一人取り残さないさいたま市をつくるため、前向きな御答弁を求めます。
○障害福祉部長 斉藤健一委員御質問の2、聴覚障害者等への支援について、(1)電話リレーサービス及びヨメテルの導入補助についてお答えいたします。
はじめに、電話リレーサービス及びヨメテルの利用料金は、一般の通話料金と同等の利用料金で提供されており、登録を希望する障害のある方の利用料金を一律に助成する地域登録の導入に当たっては、慎重な判断が必要であると考えております。
電話リレーサービス及びヨメテルの普及啓発につきましては、掛け手側である聴覚に障害のある方と受け手側にそれぞれ使い方を事前に理解していただく必要があることから、これまで市ホームページや庁内職員向けに制度の周知を行ってまいりました。今後は、より必要とする方に当該サービスの情報が行き届くように、市報や聴覚障害に係るイベントブースを活用して周知してまいります。
次に、日常生活用具給付の枠組みを活用した端末購入補助につきましては、国の告示において給付対象となる日常生活用具の要件が、用具の制作、改良、開発に当たって、障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活品として一般に普及していないものが定められております。この点から、現時点では直ちに給付対象とすることは難しいと考えております。他自治体の状況等を踏まえ、今後も調査してまいります。
次に、障害のある方、障害のある市職員の環境整備として電話リレーサービスやヨメテルの法人登録を行うことに関しては、職務において電話を利用することについて、職員から申出があった場合には、職員と話合いを踏まえ、その意向を尊重しつつ、任用を行う各所管について、具体的にどのような措置を講じるかを検討することとされております。
最後に、手話リンクを市の窓口の電話に導入することに関しては、手話ができる聴覚に障害のある方にとって、リアルタイムに意思伝達ができるようになることから、今後は関係部署と連携して手話リンクの導入に検討してまいります。以上でございます。
○斉藤健一委員 まず、手話リンクの導入を早急にお願いしたいと思います。
3、介護保険事業者指定事業者における人材確保、特に国の新規補助金を活用したスケッター事業の導入で、介護イノベーションについて質問いたします。
本市では、昨年度、人材不足を理由に28事業所が廃止、18事業所が休止に追い込まれるという危機的状況にあります。2月定例会の予算委員会において、私は同事業の導入を提案しましたが、介護保険課長からは、事業者のコンセンサスが得られていないため、今回の国の補助事業への手挙げは見送るとの消極的な答弁がありました。
しかし、全事業所の同意をただ待つだけの行政の姿勢は、深刻な人材不足にあえぐ現場の窮状を見捨てているに等しいのではないでしょうか。なぜ事業者の同意がすんなり得られないのか。私は本格導入している北九州市を直接視察し、その背景が見えてきました。現場の事業所は、ボランティア活用に関心がないのではなく、日々の業務に追われ、何を任せればいいのか、業務の切り出し方や導入方法が分からず着手できていないのがリアルな実態です。つまり、市が単に意向を聞いて回るだけでは、決して同意は得られません。北九州市のように、市が、専門ノウハウを持つ専門事業者と連携し、職員向けの業務切出し研修等の伴走支援を市として提供し、事業者の背中を押すことこそが行政の本来の役割と思います。
実際、北九州市では、開始から約2,000件のマッチングが成立し、登録者の約7割が介護未経験者で、実際の職員採用にも直結するという成果を出しております。既存の の中で人材を奪い合うのではなく、多様な地域住民を巻き込み、地域全体で介護を支える令和時代の互助インフラの構築が必要です。
そこで、全市一斉の同意を待つのではなく、まずは意欲のある数か所の施設を選定し成功事例をつくるスモールスタートへの方針を転換し、専門業者と早急に連携協定を締結し、現場の不安を解消する業務切出し研修を市として提供するとともに、コンセンサスがないから早々に諦めた厚生労働省の一体的支援事業補助金の申請準備を進め、市が主導して現場の受入れ体制を整備すべきと考えますが、介護現場の人材確保に向けた当局の覚悟を伺います。
○長寿応援部長 斉藤健一委員の御質問の3、介護職の人材確保について、(1)スケッターの導入で介護イノベーションについてお答えをいたします。
介護職の人材確保につきましては、介護サービスの安定的な提供にとって重要な課題と認識をしております。事業所からは、人材確保に苦労している、人材紹介料が高額で負担になっているなどの声を数多く伺っておりますが、今後も要介護等認定者については増加し、さらには介護サービスのニーズがより複雑化、多様化していくことが見込まれる厳しい状況にありますので、本市では、これまで様々な対策を行ってまいりましたし、今後も検討を続けていく必要があると認識をしております。
委員より御提案のありました、介護事業所の多岐にわたる業務を整理し、介護資格が不要な業務を切り出した上で新たな担い手にお任せする取組につきましては、介護職員の負担軽減につながることから、質の高い介護サービスの提供体制を整えるために有効な取組と考えております。
そこで、御紹介いただいた企業様につきましては、先月、市内の事業者団体が研修会を開催すると伺いましたので、本市から生産性向上に資するサービスを提供する企業として紹介をさせていただき、多くの市内事業者が集まる中、同社のサービスについて説明をしていただいたところでございます。
現時点で、参加者から話を伺った限りでは、好意的な意見もある一方で、費用面や人材の定着について懸念の声を伺っており、仮に御提案の企業様と連携協定を締結しても、人材不足の解消に向けてはハードルが残ると考えております。
しかしながら、委員御提案のとおり、業務の切り分けや未経験者の活用は大きな課題と考えておりますので、先進自治体の取組を研究し、市内介護事業者の声を聞きながら今後の対応を検討してまいりたいと存じます。
○斉藤健一委員 様々取り組んでいるということは理解いたしました。ただ、実際にはまだまだ現場は人材不足、介護の人材不足で苦しんでおりますので、これが解消するまで私も提案をしながら、また質問も続けてまいりますのでよろしくお願いします。
最後の質問に移ります。3の(2)介護職の人材確保の介護DX推進と伴走型支援の構築について質問いたします。
本市は、子育て都市として成長する一方、急速な高齢化が進み、将来の介護人材不足は深刻な課題です。現場の負担軽減と増大する介護ニーズへの対応は急務となっています。
そこで、私は介護DXを推進し成果を上げている大分県を視察してまいりました。同県は、機器導入の失敗を得て、現在は現場の課題解決を起点とする伴走型支援への方針を大きく展開しています。専門家による業務フローの再構築、最大2か月間使用できる体験、貸出し拠点の整備、12か所のモデル施設によるノウハウ共有、セミナー受講と計画小審査による補助金の質担保などが大きな成果を上げていました。これらを踏まえ、本市の今後の取組について3点伺います。
1点目は、伴走型支援の体制の構築です。単なる補助金交付にとどまらず、専門家を派遣し、課題抽出から業務フローの再構築まで一体的にサポートするコンサルティング体制を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。
2点目は、触れる場と試せる仕組みの設置です。事業者が現場で効果を検証できるよう、本市にも常設の体験、貸出し拠点を構築すべきと考えますが、見解を伺います。
3点目は、モデル施設の指定と科学的介護LIFEと連動したネットワークの推進です。意欲的な施設を重点支援して、他事業所へ事例を波及させるとともに、デジタル化によるLIFEへの対応を支援し、市全体でエビデンスに基づいた質の高い介護へ底上げを図るべきと考えますが、展望をお聞かせください。
介護DXの本質は人員削減ではなく、テクロノジーで生み出した現場のゆとりを市民への質の高いケアへ還元する持続可能な仕組みづくりです。超高齢化社会、超高齢社会を乗り越えるため、現場で有効に利活用される介護DX推進の見解を伺います。
○長寿応援部長 斉藤健一委員の御質問の3、介護職の人材確保について、(2)介護DX推進と伴走支援の構築についてお答えをいたします。
委員御指摘のとおり、介護DXの推進につきましては、現場のゆとりを生み出し、質の高いケアにつながるものであることから、本市としても推進していきたい取組と考えております。
御提案いただいた事業について、まず1点目の伴走型支援体制の構築につきましては、本市で不足していた視点であり、大変有益な御提案であると考えております。本市では、経営状況が厳しい介護事業所は多いと認識しておりますが、伴走型支援を伴う介護DXの推進は、単なるDX機器の導入より経営改善効果が高いと考えておりますので、御紹介していただいた先進事例も参考にしながら、効果的な取組について検討を進めてまいります。
次に、介護機器について、常設の体験貸出し拠点を構築すべきとの御提案につきましては、市として新たな拠点を設置することは、場所、内容、費用などの課題があると考えております。本市は、先進的介護機器の展示会が多く行われる都内の展示会場にもアクセスしやすいことから、まずは各事業所には、そのような展示会に積極的に参加をしていただきたいと考えておりますが、将来的には常設展示の市内での整備について、可能性はゼロではないと存じますので、中長期的な検討課題としてまいります。
最後に、モデル施設の指定と科学的介護LIFEと連動したネットワークの推進でございますが、モデル施設の視点については、これまでも先進的な取組をしている事業者のその取組は、市の開催を問わず事業者間で共有されてきたところであり、機会を捉えてこれを継続していくとともに、モデル施設の重点支援については先進事例などについて研究してまいりたいと存じます。また、LIFEにつきましては、介護事業者が利用者の情報を入力し、LIFEにデータを送信すると、国がそのデータを分析し、その結果が事業者にフィードバックされる、そして利用者のケアに活用することができるものであり、エビデンスに基づいた質の高いケアにつながるものと認識しております。このLIFEの導入は介護報酬の加算にもつながることから、本市としてもこれまで積極的に推奨してきたところでございます。
これら介護DXの推進につきまして、本市では既存の取組を進め、発展させていくとともに、先進事例の研究もし、超高齢化社会を乗り越えるに資する施策を展開してまいりたいと存じます。
○斉藤健一委員 検討していただくということで、ただ、机上での検討で終わることなく、強力に介護DX推進をお願いをして、私からの質問を終わりにいたします。

