総合政策委員会の議案外質問 令和6年12月9日(月)
1,業務委託の入札制度について
○斉藤健一委員 公明党さいたま市議会議員の斉藤健一です。 それでは、1番、業務委託の入札制度について質問いたします。
さいたま市の業務委託の入札で落札した業者から、さいたま市から仕事をいただけるのは大変ありがたいが、さいたま市の業務委託は会社としては利益がほとんどなく、赤字にならなければ良いぐらいで入札に参加しているという声を聞きました。
私はそれが事実であれば、業務委託を行っている市内事業者の健全経営の維持は厳しくなり、その結果、さいたま市の業務委託業者の質の低下にもつながると思います。そこで、今回適正な業務価格で落札契約が行われているのか質問させていただきます。
初めに、(1)予定価格の算出方法について質問いたします。
業務委託の入札内容の仕様は、建設工事の入札と違って、特に継続事業の業務委託の入札についてはほとんど仕様内容が変わらないため、予定価格も大きく変わらないと思います。
しかし、近年のエネルギー価格や人件費などが高騰しているため、同じ仕様の入札を行ったとしても、毎年の予定価格は物価高に比例して物価上昇率以上の予定価格で入札を行うべきだと考えます。
調達課として、各所管課が物価高に考慮して予定価格を積算するようにどのように働きかけを行い、その結果、同じ仕様案件であっても、年連続同額の予定価格で入札を行うことは発生していないのかをまずお聞きします。
そして、業務委託の予定価格はどのように積算して決められているのか、算出方法についても伺います。
また、業務委託の費用として一番大きく占める品目が人件費だと思います。この人件費が予定価格全体の中でおおよそ何割占めているのか。特に最低賃金が上昇している中で、人件費の積算については、各所管課に対して配慮の働きかけを行っているのかについても伺います。
○契約管理部長 斉藤健一委員の御質問の1、業務委託の入札制度について、(1)予定価格の算出方法についてお答えいたします。
本市の業務委託の入札における予定価格の算出方法につきましては、国土交通省の建築保全業務積算基準、積算要領等を根拠とした業務委託に係る積算方法のガイドラインを令和3年7月に策定し、建物清掃など建築物及びその附帯施設に係る保全業務の委託料を算出しております。このガイドラインに定める積算方法によることが難しい場合には、3者以上の者から見積書を徴取した上で、人件費等を確認し、所管において適正な価格を設定することとしております。
委員御質問の物価高に考慮した予定価格を積算するようにどのように働きかけているかでございますが、近年の物価高、人件費の上昇に対応した予定価格の算出につきましては、本年9月末に建物清掃などの人的労働が中心となる業務の積算について、先ほど御説明いたしました令和3年7月に策定した業務委託に係る積算方法のガイドラインの活用、参考見積りによる委託料の積算の場合には、直接人件費などの費用構成を確認し、適正な価格設定や労働条件の確保に配慮するよう通知し、注意喚起を行ったところでございます。
次に、同じ案件で2年連続同額の予定価格の入札はあるのかについてでございますが、調達課で入札を執行した業務委託の予定価格につきましては、前回の入札時の予定価格と比較すると全体で7%上昇しており、同額の案件はございませんでした。
次に、どのように予定価格を決めているかについてでございますが、先ほどの御答弁と重なりますが、ガイドラインの活用や参考見積りによる委託料の積算の場合には費用構成を確認し、適正な価格設定を行うようにしております。
そして次に、予定価格の中での人件費の割合ということなんですけれども、こちらちょっと契約額ベースでの割合ということでよろしいでしょうか。契約額ベースの人件費の割合ということなんですけれども、業務内容により人事配置で資格が必要な業務そうでない業務とそれぞれ業務の性質によってちょっと違うところなんですけれども、低いもので人件費の割合が60%から高いもので90%の割合でその業務の内容によってちょっとばらつきがあるというところで、よろしいでしょうか。
そして、最低賃金のほうで賃金が上昇している中での人件費の積算方法というところでございますが、繰り返しになりますけれども、積算ガイドラインに基づき最新の労務単価を用いた積算、そして参考見積りによる場合は直接人件費などの費用構成を確認して適切な価格設定や労働条件の確保になるよう指導しているところでございます。
○斉藤健一委員 予定価格の算出方法については一応今確認し、やはり人件費が最低でも60%、多いところだと契約金額の9割を人件費が占めると。やはり人件費が大変占めている入札内容かなと思います。 そこで、(2)の質問に移ります。
最低制限価格の設定について、さいたま市は本年1月1日以降に公告または指名する案件から最低制限価格を予定価格の70%から75%に引き上げました。5%上げていただいたことは良いことだと思いますが、入札業者が落札を狙う場合、予定価格を計算してから25%引きでないと落札が難しい状況であります。実際令和6年度履行分では全体57件中40件が最低制限価格の設定を75%で行い、全体の70.2%を占めています。私は業務委託の予定価格と契約価格の開きがまだまだ大きいと感じます。その中でも本年履行分の中には最低制限価格85%設定で行った入札もあります。業務委託の入札案件で最低制限価格の設定が違うのはどういう理由で違うのか、まずこの点伺います。
そして、予定価格の算出方法は、積算ガイドラインを参考にガイドラインのない品目については3者以上の参考見積りを徴収して算出しています。入札の最低制限価格を75%に設定した場合、特に業者見積書を予定価格にした場合、その見積金額は業者からの仕入れの見積りがありますのである意味市場価格でもあります。さいたま市は初めからその市場価格から25%引きでないと買わないと言っているようにも聞こえます。そのため、最低制限価格75%設定の落札業者は相当無理して札を入れているのではないかと想像されます。
冒頭で言いました市の仕事は赤字にならなければよい方だとの声が聞こえることは、最低制限価格75%設定はまだダンピング価格帯のおそれがあります。また、人件費についても予定価格の人件費が最低賃金価格で積算されていると、契約価格は最低賃金価格の25%オフとなり、最低賃金価格を下回ることにもなります。最低制限価格の設定は予定価格から一律の割合で見るのではなく、例えば人件費は95%とか、埼玉県のように各費目別の最低制限価格を設定して入札を行うことで、落札業者が適正な契約金額で質を落とすことなく市の仕事を喜んで行っていただけるように予定価格一律の割合の見直しを行うべきと考えますが、市の見解を伺います。
○契約管理部長 斉藤健一委員の御質問の1、業務委託の入札制度について、(2)最低制限価格の設定についてお答えいたします。
建設工事に伴うものを除く業務委託については、低入札価格調査制度の適用案件を除き、さいたま市業務委託最低制限価格取扱要綱等の定めにより最低制限価格を設定することができることとされています。同要綱では、建物管理等業務、警備業務、清掃業務、施設運転管理業務の人的労働が中心となる業務委託の最低制限価格については、本年1月1日に予定価格の10分の7.0を乗じて得た額を下回らない額の10分の7.0を10分の7.5に見直しを行ったところでございます。
入札の案件ごとで最低制限価格の設定割合が違う理由でございますが、最低制限価格につきましては、予定価格の10分の7.5を乗じて得た額を下回らない額というところを業務所管課が業務の内容に応じて割合設定をしております。例えば、衛生管理や安全管理が求められる施設については、個別の業務の特性を考慮し10分の8以上の高い割合を設定している状況が見受けられることが理由として挙げられます。
続きまして、御質問の最低制限価格の設定を各費目別で積算する見直しについてでございますが、費用構成による最低制限価格の設定につきましては、建物清掃など人的労働が中心となる業務において、札幌市や名古屋市など4市の政令指定都市、埼玉県等で採用しております。埼玉県では今年の4月から本格実施されている状況でございます。
本市としましては、受託者が適正な価格により適正な人件費を確保することは重要であると考えておりますので、業務所管課に対して最低制限価格の設定に当たっては、費用構成ごとの金額を精査し最低賃金が下回ることのない割合とするよう今後も周知を続けてまいります。また、最低制限価格の設定割合予定価格の10分の7.5を乗じて得た額を下回らない額についても、社会経済情勢が大きく変化し続ける中、今後の物価上昇等の影響を考慮しながら見直しの検討を進めてまいります。そして、委員御指摘の費用構成ごとの最低制限価格の設定についても、他都市を調査しながら適切な措置を講じてまいります。
○斉藤健一委員 一応検討していただけるという答弁いただきました。ぜひ市の仕事を落札した業者さんがいわゆる適正な契約金額で仕事できるようにぜひ調査して市内業者さんが質の高い仕事ができるように、今後も入札制度の見直しをよろしくお願いいたします。