タイトル:令和6年度当初予算議案の総合政策委員会1 所管審査
開催日:令和6年2月26日(月)
<質問項目>
1.一般競争入札の総合評価方式について
2.最低制限価格によるくじ引の落札について
○斉藤健一委員 工事等契約関係及び業者登録管理事業の総合評価方式について質疑いたします。
さいたま市では工事の一般競争入札において、総合評価方式を推進しています。総合評価方式を推進する理由と、令和5年度は総合評価方式の全体の割合が12月31日現在で439件中20件、4.6%と割合が大変低いと思います。
割合が低い原因と、その割合を高めていくための対策と同時に、新年度の総合評価方式の目標比率について伺います。
○契約課長 総合評価を推進する主な理由は、ダンピング対策のために総合評価を利用するという形になります。価格だけではなく、工事の質を見ていくことで、総合評価を推進するという形になっております。
次に総合評価の割合が低い原因は、通常の一般競争入札は額を記入して札を入れるという形になりますが、総合評価の場合、額だけではなく、調書の書類を入れまして、それを併せて評価するという形になりますので、工程が増えていることです。
このため工事所管課の方も工程が増えるだけでなく、業者さんの方も工程が増えるという形で、通常の一般競争入札よりも割合が低いと考えております。
割合を高める対策については、総合評価の制度の理解も推進していくことで、工事所管課に制度の内容を理解してもらうことと、工事業者さんの中でも制度についてよく分からないということで、食わず嫌いとかになっている場合もありますので、制度の仕組みを説明しまして、内容を理解していただいて、参加していただくことが対策になると思います。
新年度の総合評価方式の目標ということですが、こちら、工事内容を毎年内容が変わってきますので、特に何%ということではなく、前年度よりも増やしていくことで行っているところです。ちなみに今、令和5年度ですが、見込みでいきますと令和4年度の見込みは上回るという形で推移しているという形になります。
○斉藤健一委員 総合評価方式の割合を増やしていくことで、事業者も総合評価方式の入札に慣れてくると思います。また、昨年度よりも上回るといっても、もともと昨年度も4%台ですので、上回りましたといっても、4%で終わっては、まだまだ推進が足りないと思います。10%程度の目標でお願いできればと思います。
次に、総合評価方式は価格だけでは落札候補者は当然決まりません。また、能登半島地震のような大災害が起きたときに、災害に耐え得る工事として、質の向上が求められます。理由として、先ほどありましたダンピング防止、これも大事な条件だと思います。入札不調を避けながら、質の高い工事を市内事業者に施工していただく入札制度を高めていくことについて見解を伺います。
○契約課長 総合評価の質の高い工事については、総合評価の趣旨に合致するもので、質の高い工事を進めていければと思います。しかし、総合評価方式の入札制度につきましては、すぐに4%から10%に一気に進むものではないと考えております。
1個1個着実に、工事所管課と事業者さんに制度を理解してもらいまして、総合評価に当たるものを進めていければと考えております。
実務的なことを申し上げますと、総合評価方式を従来は新年度が入ってから該当するものはないかと照会をかけていたところですが、今年度からは新年度の予算を要求する段階ぐらいから、来年度、総合評価の検討をお願いしますと工事所管課の方に伝えて理解を深めていただきまして、来年度に向けて準備しているというところでございます。
○斉藤健一委員 次に最低制限価格によるくじ引の落札について質疑します。
令和5年度の12月31日現在の最低制限価格によるくじ引の落札率は53.25%と、半分以上が最低価格によるくじ引での落札者を決定しています。この最低制限価格は、最近ではパソコンでほぼ計算できるとも聞いています。くじ引で落札者が決まる入札が多いということは、さいたま市の工事はある面、運がよかった事業者が仕事を請け負う制度になってしまいます。毎回最低制限価格で札を入れても、年間で1回も落札ができなければ、事業者の入札参加意欲が失われてしまいます。入札制度で大事な競争性が低下しないためにも、このくじ引で落札者を決める割合を少しでも減らす制度に変えていく必要があると考えます。
先ほどの総合評価方式の指針として、最低制限価格のくじ引入札になりそうな案件については、総合評価方式の特別簡易型の形式をできるだけ多く採用していただき、下請事業者を、例えば価格以外の評価の項目で下請事業者を使わずに自社のみで100%施工する事業者に評価点をつけるなどして、くじ引落札件数を減らし、市内事業者への受注拡大を図ることについて見解を伺いたいと思います。
○契約課長 くじ引と総合評価の関係の質疑をいただいたところですが、こちらの方は、くじ引は確かに委員おっしゃられるように50%を超えているという現状になっております。くじ引になったものを再度、総合評価方式をということでしょうか、一般競争入札で価格が同じものについては、自治法の方で、同じものはくじ引で行うという形になっておりますので、さらにそこから総合評価を持っていくというのは課題があると認識しております。
ただ斉藤委員が言われました趣旨というのは、市内業者ですとか市内在住の市民の方で、できるだけ多く廻していけないかという趣旨かと思いますので、その辺の趣旨の方を酌み取って総合評価のやり方を見直す機会はあるかと思いますので、念頭に置きたいと思います。
ちなみにくじ引対策ということですけれども、今年度については9月議会で尾上委員と青羽委員から、2件一抜けの入札はできないのかという提案をいただいたところで、早速本年1月から2件一抜け方式の方を試行的に運用しまして、これは何でも機械的に同じものを2件一抜けにしているというわけではなくて、競争率が激しいものにつきましては、それを選んで2件一抜けに指定して試行しているところです。
また数が積み上がりましたら、何らかの形で反映させていただければと思います。
○斉藤健一委員 毎年予算編成では、入札制度の調査研究として令和6年度も46万2,000円が計上されています。ここ10年ほぼ同じ金額で予算計上されておりますけれども、なかなか目に見える数字での調査研究の成果が現れていないような感じがします。今答弁がありましたように、数字で見える結果になるような調査研究を新年度はぜひお願いを申し上げて、私の質疑は終わりにいたします。