令和6年度当初予算議案の総合政策委員会2所管審査
開催日:令和6年2月27日(火)
<質問項目>
1.デジタル地域通貨・市民アプリの機能について
2.農業及び食の流通・観光産業拠点、道の駅の整備について
○斉藤健一委員 市民アプリを活用したデジタル地域通貨を導入することにした理由と、さいたま市版の市民アプリの特徴について伺います。
また市民アプリは、既にスマホから手続ができる電子申請システムなど、全てのデジタル手続が市民アプリでできるようになるのか伺います。さいたま市ごみ分別アプリ(さいちゃんアプリ)や、防災アプリなど、既存の行政アプリとの統合について、まず連携を4つのアプリから進めると本会議の答弁でありました。その4つのアプリと、その後の統合の流れについて伺いたいと思います。
○商業振興課副参事(デジタル地域通貨担当) 地域通貨を導入することにした理由につきましては、地域経済の冷え込みですとか、民間消費やキャッシュレス決済手数料の域外流出、また地域コミュニティーの希薄化といった地域課題、こういったものを解決することと、行政コストの削減、データを活用した政策立案等の推進による市民サービスの向上、こういったことを目的としております。
また、本年度実施いたしましたデジタル地域通貨導入調査業務の調査結果の中でも、これらの課題を解決するものとして、デジタル地域通貨機能を含む市民アプリが課題解決に寄与することになりまして、導入する方針としました。
アプリの特徴につきましては、単にデジタル地域通貨機能を導入するのではなくて、御質問にもございましたけれども、様々な行政サービスをまとめた市民アプリとして、様々なサービスを統合していくところが特徴と考えております。
また、4つのアプリにつきましても、リンクによる連携で進めてまいりたいと考えています。将来的には統合をしっかり考えてまいります。
○斉藤健一委員 デジタル通貨のポイントについて伺います。
デジタル地域通貨は、市外の誰でも使えるようにするのか、その場合は、市民と市外で還元ポイントなどの差をつける予定はあるのか伺います。
また、チャージ額の3%分のポイント還元を行うことにしていますが、この還元期間と、チャージ額の下限と上限設定を設けるのか伺います。
また、利用者間のポイント送金もできるようにするのか、そして最後に、キャッシュレス決済として税金などの納付に使えるようにするのか伺います。
○商業振興課副参事(デジタル地域通貨担当) 現在、地域商社の設立準備会というものを立ち上げておりまして、そこで詳細を協議している段階でございますが、御質問ありましたデジタル地域通貨は、どなたでも御利用できるように考えております。
また、市民と市外という形でポイントに差をつけるということは、今のところはしない予定です。
送金につきましては、送金に近い機能を設けることとしておりまして、運用開始当初には、税金の納付というところを、機能としては間に合わないかと思いますが、ここもしっかりとできるように準備を進めてまいります。
前後してしまいますが、還元については、チャージするたびにつけることを想定しております。その際、1人当たりの最低チャージ額とチャージ額の上限についての設定は、金額は定まっておりませんけれども、つける予定としております。期間につきましては、チャージ期間は1年通じてと考えています。
○斉藤健一委員 事業者について、デジタル地域通貨を使える先としての事業者などの加盟店は、市内事業者に一応限定されるのでよいのか、そして、加盟店になるための初期費用と、その後のランニングコストについて伺います。
また、市民アプリの運営事業者であります地域商社の構成メンバーと、使用する市民アプリの開発会社の選定はどのようにして決められるのか伺います。
また、デジタル地域通貨の導入による経済波及効果は、10年間で累計125億円と試算されていますが、この10年間の累計の金額としては、私は少し低いと感じます。また、その試算の根拠ともなっています10年間の加盟店の数と、利用者の目標についても伺いたいと思います。
○商業振興課副参事(デジタル地域通貨担当) 加盟店は、原則市内事業者に限定する予定です。加盟店登録時の初期費用につきましては、無料で考えております。ランニングコストにつきましては、決済時の手数料のみで検討しており、その手数料率は、市中の決済手数料よりも低い形で設定するように調整を図っています。
地域商社の構成メンバーにつきましては、出資参画等の各社の方針が全て固まっておりませんので、個別、企業名は控えさせていただきますけれども、昨年12月に商工会議所、それから商連、さいたま市で、いわゆる地域商社を設立するための準備会を進めるための協定を結ばせていただいております。その3者で、今回の地域商社が有すべき機能から構成メンバーを検討しまして、3者に加えて金融機関ですとか旅行業、通信、メディア、システムベンダー、こういった企業様の方にお声がけをさせていただいて、今検討を進めております。
また、市民アプリの開発会社につきましても、こちらは既に複数の地域でデジタル地域通貨を提供している、アプリを提供している企業様となっております。
経済波及効果125億円というところにつきましては、まず、初年度の加盟店は5,000店舗、利用者数20万人という設定をしておりまして、最大で10年間の中で加盟店は5,800店舗、それから、利用者数31万人、これを目標値として設定しまして、そこから10年間を積み上げて積算しております。
○斉藤健一委員 現在さいたま市の人口は約134万人で、約9割の方がスマホを所持しています。100万人以上のさいたま市民が、すでにスマホを所持しています。ただし、デジタル地域通貨を利用する人は、そのうち何人いるのかはあると思いますけれども、スマホを持っている人は、いつでもダウンロードして利用できるような環境がすでにあるわけですから、目標が30万人というのは低いと感じます。予算を増額してでも、さいたま市民全員が利用しているという状況をつくる思いで、波及効果も一桁多い125億円ではなく10年間で1,250億円ぐらいの経済波及効果が出るような事業にしていただきたいことをお願いして、次の質問に移ります。
商工施策管理事業の農業及び食の流通・観光産業拠点、道の駅の整備について質問します。こちらは令和3年3月にさいたま市が作成した基本計画書であります。予算概要には、整備計画を行うと書かれていますが、その策定内容と、基本計画書の冒頭に市長の挨拶文が載っていますけれども、市長は、コンセプトは一大ミートランドをつくると言っております。この一大ミートランドと言われる整備計画について伺いたいと思います。また、策定に当たっては、地元住民や市民の意見をどのように反映されるのか伺います。
○食肉市場・道の駅施設整備準備室長 整備計画の内容は、基本計画を踏まえ、導入施設の規模の精査、建築施設の検討、基盤整備の検討、事業手法の検討、各種法令手続の整理などを取りまとめていく予定です。
整備計画における一大ミートランドにつきましては、基本計画でお示しした食肉市場と道の駅の連携基本方針を承継してまいりたいと考えております。
次に、市民意見を反映する機会でございますが、基本計画作成時と同様にパブリック・コメント、道の駅整備協議会、住民説明会等を通じて、市民の皆様に意見を重ねながら進めてまいりたいと考えております。いずれにしましても、施設整備に当たりましては、様々な御意見に留意しながら、丁寧に進めてまいります。
○斉藤健一委員 この基本計画の最後のページにスケジュール案も出ております。この基本計画の事業スケジュールでは、整備計画は、令和6年度ではなくて令和4年度中に策定され、そして、令和5年度には用途取得やPFI導入可能性調査や開発許可・農振除外・農地転用などの手続を令和5年度中に終えるという計画スケジュールになっています。現時点での基本計画のスケジュールの進捗状況と、また、予定どおり令和10年度中に道の駅開設は変更ないのか伺います。
○食肉市場・道の駅施設整備準備室長 基本計画の現時点でのスケジュールの進捗状況ですが、令和10年度の開設を目指して、現在、環境影響評価、地質調査、造成等基盤整備基本設計、用地測量、農振農用地除外資料作成等を順次進めてきております。
供用開始時期ですが、令和10年度の供用開始に向けて努力してまいります。
○斉藤健一委員 もう一度聞きます。現時点では、令和10年度に開設できなくなるという要因は今のところ無く進められていることで良いでしょうか。
○食肉市場・道の駅施設整備準備室長 今後、用地買収などのように、お相手に御協力いただいて進める業務等は、スケジュールに何らか影響を及ぼす可能性がありますが、本市としましては、令和10年度の供用開始に向けて努力してまいります。
○斉藤健一委員 この道の駅は、見沼区選出の私にとって、見沼区に光が当たったと思っております。さいたま市民が誇れて、自信を持って言える道の駅と、安心して利用できる道の駅をしっかり造っていただきたいとお願いして質問を終了いたします。