改めてお知らせします。

昨年9月12日、さいたま市議会の本会議で一般質問を行った内容が実現しました。さいたま市が新たに始める【養育費立替支援事業】です。

この質問のきっかけは、一人親として小学生の子どもを育てながら懸命に働くお母さんからのご相談でした。彼女は、離婚した元夫から養育費を受け取っておらず、経済的に厳しい状況にありました。「元夫からの養育費は諦めている」という言葉が胸に刺さりました。子育てに対する強い責任感と努力に心を打たれ、何とか支援できる方法はないかと考えました。

この問題に対する支援策を調査する中で、兵庫県明石市が市として養育費の立替と回収支援を行っている事例を知りました。明石市の取り組みは、養育費不払いの解消に大きな効果を上げており、子育て中の一人親家庭に大きな助けとなっていることが分かりました。そこで早速、明石市への行政視察を行い、現地での効果や具体的な運用方法について詳しく学びました。

視察の結果をもとに、さいたま市でも同様の事業を実施するよう議会で提案しました。

私の質問動画です。(9分30秒辺りから約5分間)

■質問内容
2)不払い養育費の確保について
○斉藤健一議員 (2)不払い養育費の確保について。令和3年度の厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査結果では、養育費を現在でも受けているとされる母子家庭は 28.2 %で、約7人に2人ととどまっており、反対に養育費を受けたことがないとされる母子家庭は 56.9 %にも上っています。実に半数以上の子供が父親から養育費を受け取っておらず、また母子家庭の平均年間収入は 272万円と低所得世帯であるため、養育費を受け取れていない母子家庭のお子さんは栄養失調の危機という非常に厳しい状況にさらされています。さいたま市においても、令和4年度の児童扶養手当受給資格者 7,210 人のうち、養育費を受け取っていない受給資格者は 5,065 人と 70.7 %で、国の調査結果と同様に養育費を受け取れていないさいたま市の子供たちが栄養失調になっていないか、心配であります。そのため、さいたま市は養育費を確実に受け取ることができるように、民間保証会社と養育費保証契約を締結する際に負担する保証料を補助していますが、申請件数は令和3年度が2件、令和4年度が4件と、あまり効果が出ていません。先月、民間保証会社ではなく、行政が養育費不払いの立替えをしている明石市を視察してきました。明石市も、依然は保証契約補助を実施していましたが、利益を追求する民間企業が主体であるため、支払い義務者が資力に乏しく、回収が期待できない場合や連絡先が 分からない場合には審査が通らない可能性があります。そのため、独り親の家庭格差がますます拡大する弊害が見受けられたため、親の立場ではなく子供の立場に立つことを理念とする明石市は、養育費の立替えと支払い義務者に市が督促を実施することで、多くの子供への養育費の支払いが正常化につながる効果が表れています。こどもまんなか応援サポーター宣言されたさいたま市において、審査に関係なく確実に養育費を受け取れるために行政が不払い養育費の立替え支援を行うことについて、見解を伺います。

■答弁
○池田喜樹子ども未来局長 斉藤健一議員のご質問の1、子育て支援について、(2)不払い養育費の確保についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、独り親の方々は、子育てと生計の担い手という2つの役割を全て一人で担わなければならず、経済面、生活面、精神面等において様々な困難を抱えており、特に経済面では厳しい状況にあるものと認識しております。こうした中で、本市では、独り親の方々が養育費を確実に受け取れるよう支援するため、弁護士による養育費相談、養育費の取り決めに係る公正証書等の作成費用 や養育費保証契約に係る保証料の補助などを実施しております。議員ご提案の明石市で実施しております子供の養育費立替支援事業につきましては、養育費の不払いが生じた際に養育費を支払うべき義務者に対し市が働きかけを行い、それでもなお支払いがない場合は、養育費を受け取るべき人に対して市が一時的に養育費の立替えした上で、義務者に対して督促等を行う事業として伺っております。明石市の事業につきましては、養育費の不払い解消に向けた先進的な取組であり、独り親家庭への効果的な支援であると認識しておりますので、本市といたしましても養育費を確実に受け取 り 、子供が不利益を被らないような取組について、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えてございます。


議会での質問を通じて、この問題の重要性を訴え、市民の皆様からの強い要望を背景にした提案が実を結び、さいたま市でも【養育費立替支援事業】が実施されることになりました。この事業により、一人親家庭が直面する経済的な負担を軽減し、子どもたちが健やかに育つ環境を整えることが期待されます。

今回の事業実現は、市民の皆様からの声を真摯に受け止め、具体的な支援策として形にするための努力の結果です。今後も市民の皆様の生活をより安心で豊かにするために、皆様からのご意見やご相談に耳を傾け、市政活動を進めてまいります。特に一人親家庭や子育て中の家庭に対する支援を充実させ、誰もが安心して暮らせるさいたま市を目指して、全力で取り組んでまいりますので、引き続きご支援とご協力をお願い申し上げます。

詳細は、市のホームページを参照して下さい↓
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/005/p114609.html