<議案外質問通告書>
1,「道の駅」の環境アセスメントについて→(1) 環境アセスメントの実施状況について・(2) 評価書の作成手順について
2,防災力強化について→(1) 気象防災アドバイザーの活用について・(2) 停電時の対応について
質問・答弁要旨
1,「道の駅」の環境アセスメントについて→(1) 環境アセスメントの実施状況について・(2) 評価書の作成手順について
◆斉藤健一委員 1、道の駅の環境アセスメントについて、(1)環境アセスメントの実施状況について質問いたします。
環境アセスメントは、さいたま市初の大型プロジェクト道の駅整備事業を進めるに当たり、整備地周辺の自然環境や地域社会に与える影響を事前に評価し、必要な対策を講じるための手続として、評価書を作成し、環境への負荷を最小限に抑えるための重要な役割を果たします。具体的には、影響を予測し、評価し、そして、それに基づいて適切な緩和策を決定いたします。
約2年に及ぶ環境アセスメントは、本年度末に終了予定となっています。現時点での実施状況と、事業推進に影響を及ぼす事案はあるのか伺います。
続けて、(2)評価書の作成手順について質問いたします。
評価書には(資料提示)、こちらを市民にも配布されておりますけれども、環境アセスメントの準備書、この準備書には「環境の保全の見地からの市民などの意見を取り入れ」とあります。また、9月20日までの意見書の受付を行っております。今日まで市民にはどのように説明し、今まで市民から主な意見としてどのようなものがあり、その意見に対しての対応と、最終の評価書はどのような手順を踏んで作成をされ、作成された評価書は、またどのように市民に公開されるのか伺います。
◎商工観光部長 斉藤健一委員の御質問に、順番にお答えいたします。まずは、1の(1)道の駅の環境アセスメントについて、(1)環境アセスメントの実施状況についてお答えいたします。
まず、環境影響評価の実施状況ですが、令和5年度に事業計画の内容ですとか、周辺地区の特性を考慮いたしまして、調査、予測及び評価の項目ですとか方法、その他環境影響評価の実施に必要な事項等を記載した調査計画書を作成いたしまして、広告、縦覧、住民説明会開催、さいたま市環境影響評価技術審議会への諮問など必要な手続を実施してきたところでございます。
次に、様々な御意見を踏まえまして、調査計画書に必要な修正を行いまして、評価項目として選定した、例えば待機室ですとか、振動、騒音、それから地盤、地域交通等について、現況調査として既存資料の調査と約1年にわたる現況調査を行ってまいりました。今年度は、この調査の結果に基づきまして、予測、評価を行いまして、その結果と講ずべき環境保全措置の内容、それから事後調査の計画等を記載した準備書を作成したところでございます。
予測及び評価の結果につきましては、全ての評価項目において、事業の実施に伴う環境への評価、環境への影響は最低限であると予測されておりまして、また、適切な環境保全措置を講じることによりまして、環境影響は実行可能な範囲内で、できる限り回避または低減が図られていると評価されたところでございます。
現在、準備書について手続は進めておりまして、先日、8月に関係地域内で説明会を開催しまして、これまで実施した現況調査を踏まえた予測及び評価の結果を御説明申し上げたところでございます。なお、事業推進に及ぼす影響でございますが、現時点でそのような予測及び評価の結果というのは出ておりません。
続きまして、(2)評価書の作成手順についてお答えいたします。
ここまでの市民の皆さん等からの御意見としましては、主に準備書の、準備書の説明会のときのものに主になりますが、事業地周辺が軟弱地盤であること、洪水ハザードマップによる浸水エリアであること、それから事業地が接している国道16号が現在も渋滞が発生する路線であること、こういったことから、軟弱地盤対策、雨水対策、それから交通対策、こういったところについての御質問がございました。
これらの御質問に対しては、事業者である本市といたしましては、軟弱地盤対策につきましては、適切な地盤改良工法を選定することで影響を回避すること、雨水対策につきましては、埼玉県、埼玉県雨水流出抑制施設の設置等に関する条例に基づきまして、適切に実施していくことを御説明したところでございます。交通対策につきましても、交通環境が現状から大きく変わることはない旨を御説明いたしました。
今後の手順といたしましては、さいたま市環境影響評価技術審議会への諮問などを経て、準備書に関する手続というのは完了いたします。その後、準備書の手続でいただいた意見等を踏まえまして、適宜修正を加えた評価書を今年度末までに作成する予定でございまして、この評価書の公告、縦覧を経て、事業実施前の環境影響評価手続は全て終了と、完了ということになります。
今後も、事業者といたしまして、事業の実施に当たり、環境の保全について適正に配慮しながら丁寧に進めてまいりたいと思います。
◆斉藤健一委員 細かな説明、ありがとうございます。再質問させていただきます。
しっかり環境アセスメントが行われているというのは分かったんですけれども、冒頭で申し上げたように、環境アセスメントは市民が望む道の駅をつくるために当たり、環境保全と、できるだけ環境負荷を最小限に抑えるために行うものでありますが、評価の結果次第では事業そのものの見直しもあり得るのか、伺います。
◎商工観光部長 斉藤委員の再質疑にお答えいたします。
先ほど少し御答弁は申し上げましたが、予測と評価を行った準備書において、事業が中止となるような結果というのは今のところ出ておりません。当事業の実施に当たりましては、積極的に環境問題に取り組みまして、環境と共生できるように丁寧に進めてまいりたいと思います。
2,防災力強化について→(1) 気象防災アドバイザーの活用について・(2) 停電時の対応について
◆斉藤健一委員 2番、防災力強化について、(1)気象防災アドバイザーの活用について質問いたします。
さいたま市が受ける自然災害は、地震よりも、近年の異常気象ともいわれるゲリラ豪雨などの集中豪雨による浸水被害が多く発生しています。現在、集中豪雨による災害に備えて、気象情報をどのように入手して、その情報をどのように分析して、市民の命を守るための災害避難情報にどのように活用しているのか伺います。
気象庁では、気象防災アドバイザー活用促進事業として、地域の気象と防災に精通した方に気象防災アドバイザーを委嘱し、自治体での防災対応において活用いただく取組を推進しています。気象防災アドバイザーは、気象情報の専門知識を持ったプロフェッショナルとして最新の気象データを分析し、予測される気象条件に基づいて市民への避難情報を提供します。また、平時は市民に対する防災教育を実践し、気象災害に対する意識を高め、市民一人ひとりが自分の身を守るための知識と行動力を身につけることができます。
異常気象による浸水被害が多いさいたま市では、プロの気象防災アドバイザーを活用して、より強固な防災体制を構築していくことについて、見解を伺います。
◎危機管理部長 斉藤健一委員の御質問の2、防災力強化について、(1)気象防災アドバイザーの活用についてお答えいたします。
委員御指摘のとおり、入手した気象情報を基に、迅速に対応を判断して適切な防災行動へつなげていくことは、大変重要であると認識しております。本市では、民間気象情報会社である株式会社ウェザーニューズと業務委託契約を締結し、本市に特化したピンポイントの気象情報が入手可能な体制となっております。また、気象庁熊谷地方気象台及び株式会社ウェザーニューズとのホットラインを構築しているため、現在の気象状況や今後の予報などに関する気象解説についても、24時間365日情報取得が
可能になっております。
実災害時の際には、気象情報をはじめハザードマップによる災害リスクや地域特性など様々な情報を災害対策本部、本部班へ集約し、市としての体制や市民への避難情報の発令などについて、総合的な判断を実施しております。
気象防災アドバイザーにつきましては、災害時の対応だけでなく、市民向けのワークショップや防災訓練での解説など、平常時における活動も可能であると認識しております。今後も、気象防災アドバイザーの活用につきましては、本市における防災対策への有効性や他自治体の活用状況、費用対効果などを検討してまいりたいと考えております。
◆斉藤健一委員 この気象防災アドバイザーはまだ、始まったばかりで、各自治体では臨時職員で採用して、これから活躍されるのかなと思いますので、ぜひさいたま市も乗り遅れないように積極的に調査、検討していただきたいと思います。
次の質問に移ります。(2)停電時の対応について質問いたします。
最近ゲリラ豪雨とともに雷による停電が頻発しています。特に猛暑だった今夏は、急激な気温の上昇と湿度の増加により雷雨が発生しやすい状況です。例えば7月27日の雷雨では、市内の広範囲で数時間にわたる停電が発生し、復旧までの数時間はエアコンなどの全ての電気器具が使用不可になってしまいました。
停電によってエアコンが使用できなくなると、夏の暑い時期には体調不良を引き起こすリスクが高まります。猛暑の中でエアコンが停止すると室内の気温が急速に上昇し、熱中症や脱水症状の危険が増します。特に高齢者や乳幼児、持病を持つ人々は体温調整が難しくなり、深刻な健康被害を受ける可能性があります。
このため、停電が発生した際には速やかに涼しい場所に避難し、十分な水分補給を行うことが重要です。7月27日の停電では、エアコンが約5時間から6時間使用できず、体調不良になった高齢者がおりました。幸い大事には至りませんでしたが、長時間復旧のめどが立たないような停電時には、一時涼しい避難場所の開設などの支援体制の整備が求められますが、市の見解を伺います。
◎危機管理部長 斉藤健一委員の御質問の(2)停電時の対応についてお答えいたします。
本年7月27日の停電の際には、ゲリラ豪雨に加え、雷が多発したことが原因で変電所や送電線に被害が生じ、複数の地域で停電が発生したことで、その範囲や原因の特定にかなりの時間を要したと後日、電力会社から報告を受けております。
今回のように、夏の暑い時期において停電が長時間にわたり、エアコンが使用できない場合、熱中症のリスクが懸念されます。停電時の熱中症対策としては、基本的な熱中症対策を市ホームページで周知しているところでございますが、委員御指摘のとおり、大規模停電時に避難所を設置することも一つの方法であると考えております。
一方で、大雨時や停電時に外出する場合は、事故などのリスクや停電地域の避難所の設備の問題、案内などの適切な情報伝達手段などの問題も多くありますが、近隣自治体の例も参考にしながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
◆斉藤健一委員 特に今年は、雷による停電の発生件数がふだんよりも多い年だったと実感をしております。いつ復旧するのか、エアコンが使えなくて、暑くてこのままだと大変だという電話もそのたびにいただきます。なかなかすぐ避難所開設というのは難しいと思いますけれども、停電時の支援体制と言うのでしょうか、停電時の防災体制をぜひ一度さいたま市としても検討していただきたいということをお願い申し上げて、質問を終了いたします。