会議:令和7年12月保健福祉委員会 / 開催日:2025-12-08 / 役職:委員(保健福祉委員会) / 出典:さいたま市議会 会議録検索システム

包摂的就労の推進:就労困難者の現状認識と支援対象の拡大

◆斉藤健一委員 公明党の斉藤です。

誰一人取り残されない社会の実現に向けたさいたま市における包摂的就労の推進について質問します。

(1)就労困難者の現状認識と支援対象の拡大について、障害やひきこもり、難病、独り親など、様々な働きづらさを抱える就労困難者は国内で推計約600万人に上り、適切な支援があれば約270万人が就労可能とされています。これは本人の経済的自立や生きがいにつながるだけではなく、労働力不足への対応や社会保障費の効率化にも資する極めて重要な課題です。公明党が強く推進する包摂的な社会の構築には、一般の労働者と同じ職場で喜びを持って働ける包摂的就労の実現が不可欠です。

しかし、現在、公的な就労支援は障害者手帳の有無によって利用できるサービスに大きな隔たりがあり、手帳のない就労困難者向けの支援など就労準備支援事業や認定就労訓練事業などは、導入自治体や利用者が限定的であるのが現状です。

そこで、さいたま市において、全ての就労困難者が働く喜びを得られるよう、手帳の有無にかかわらず支援を受けられる環境を整備し、包摂的就労を強力に推進するための施策を講じることだと思います。

初めに、現状認識と支援対象の拡大について質問いたします。

市は障害者手帳を持たないひきこもり経験者や難病患者、独り親などを含む就労困難者の総数や就労希望者数をどのように把握し、彼らが抱える就労上の課題についてどのような認識を持っていますか。

また、既存の支援制度では対応し切れていない支援の谷間にいる市民への対応策について、現時点での見解を伺います。

◎生活福祉部長 斉藤健一委員の御質問の1、包摂的就労の推進について、(1)就労困難者の現状認識と支援対象の拡大についてお答えいたします。

本市におきましては、福祉施策や労働施策などの面から、御本人の状態に応じた様々な就労支援に取り組んでおります。各区役所に設置しております福祉まるごと相談窓口におきましても、複合的な課題を抱える方々に対して、生活困窮者自立支援制度に基づく居住支援、家計改善支援、就労支援を行っているところです。

御質問の就労困難者の総数等の把握につきましては、就労困難者の定義は多岐にわたっておりまして、どのような基準で捉えるのかが判断が難しく把握はできておりませんが、潜在的には一定数いらっしゃると考えております。また、発達障害の疑い、身体的、精神的不調などの就労阻害要因を抱える方からの相談が最近増えているとの現場からの意見もあり、これらの方々への支援が課題であると認識しております。

次に、既存の支援制度では対応し切れていない支援の谷間にいる方々の対策についてでございますが、本市におきましては、福祉まるごと相談窓口を中心に支援会議などの場を通じまして、多くの関係機関と連携を図りながら、複雑な課題を抱える相談者にきめ細やかな支援を行っているところでございます。

引き続き、関係部局や支援機関との連携を図り、制度のはざまに陥った方々に寄り添いながら、御本人が抱える課題を解決できるよう取り組んでまいります。

包摂的就労の推進:ソーシャルファーム認定の導入

◆斉藤健一委員 さらなる取組の推進をお願いします。

(2)ソーシャルファーム認定の導入について質問いたします。

一般就労と賃金ややりがいにおいて課題のある福祉的就労の大きな谷間を埋める第三の職場として、ソーシャルファームが注目されています。ソーシャルファームとは就労困難者が配慮を受けながら一般就労と一緒に働き給与を得られる社会的企業です。東京都では全国初のソーシャルファーム条例を制定し、認証を受けた事業者への立ち上げ、運営費支援を行っています。これにより、認証事業者では働く就労困難者の約6割が手帳のないひきこもり経験者や独り親などとなっており、多様な働き方の環境が広がっています。

さいたま市においてもこうした取組を参考に、ソーシャルファーム認定の導入及び普及を促すための条例制定や企業への具体的な支援策、補助金や認証制度などについて見解を伺います。

◎生活福祉部長 委員御質問の(2)ソーシャルファーム認定の導入についてお答えいたします。

委員御指摘のとおり、東京都では就労を希望する全ての都民が個性や能力に応じた就労の機会を得られるよう、就労困難者を一定以上雇用する企業をソーシャルファームとして産業労働部門が認証し、支援を行う制度が導入されております。

一方で、本市のソーシャルファームの定義についてですが、一般企業への就労が困難な障害者が生きがいのある充実した生活を送るため、障害のない方と共に働く場と位置づけており、障害者以外の就労困難者のような広く対象者を捉えた定義づけはしておりませんでした。しかしながら、本市といたしましても、制度のはざまにあり、支援が行き届いていない就労困難者への包摂的な就労支援の必要性については十分認識しているところでございます。

今後は、関係部局と連携いたしまして、御提案にございました他自治体の取組も参考にしながら、本市における制度の在り方につきまして調査研究を進めてまいります。

介護福祉施設と有償ボランティアのマッチング:人手不足の現状

◆斉藤健一委員 制度の谷間にいらっしゃる支援強化をぜひお願いしたいと思います。

次に、2番、介護福祉施設と有償ボランティアのマッチングについて、(1)介護福祉施設、支援施設の人手不足の現状について質問します。

さいたま市内の介護福祉事業所において、職員の確保が最大の経営課題の一つであり、不足している、やや不足している、と感じる事業者が全体の6割以上を占めるなど、深刻な人手不足が常態化しています。この人手不足は、介護職員の低賃金や仕事がきつい、社会的評価が低いといった要因による採用の困難さが原因であり、職員の負担増はサービスの質の維持にも影響を及ぼしかねません。

本市としてこうした現状認識と課題解決の方向性についてどのようにお考えになっているか、まず見解を伺います。

◎長寿応援部長 斉藤健一委員の御質問の2、介護福祉施設と有償ボランティアのマッチングについて、(1)介護福祉施設、福祉支援施設の人手不足の現状についてお答えいたします。

介護福祉事業所における人材不足の現状でございますが、市内介護事業所からは人材の確保が難しいとの声を多数伺っており、令和6年度の要介護等認定者当たりの介護従事者数は、平成29年度から約1割減少しているほか、市内居宅介護支援事業所に従事する介護支援専門員数も減少傾向にある状況と認識してございます。

さらには、令和6年度中に人材不足を理由に廃止した市内事業所が28事業所、休止した事業所が18事業所あり、78か所ある特別養護老人ホームのうち、2事業所で人材不足が原因で苦情が発生しているということを確認しております。

そのため、これまで本市では、介護人材の確保のため介護現場で働く人材をホームページで紹介する魅力発信事業、社会保険労務士を派遣する介護職員処遇改善加算取得促進事業、介護の未経験者が基本的な知識を学ぶことができる介護に関する入門的研修事業、また、経験の浅いヘルパーへの同行等を支援する訪問介護等サービス提供体制確保支援事業を実施するなど、介護人材の確保に取り組んでまいりました。

今後も、これまで行ってきた各種取組を着実に実施するとともに、介護現場の実態を踏まえながら、できる限りの支援に取り組んでまいります。

介護福祉施設と有償ボランティアのマッチング:スケッター事業の導入

◆斉藤健一委員 人手不足を認識し、様々市もやれることはやっていらっしゃるけれども、なかなかちょっと簡単には課題解決がこれは難しいと思います。

そこで、(2)スケッター事業の導入について質問します。

こうした人手不足の現状に対し、全国ではインターネットを活用して介護福祉事業所と地域住民の有償ボランティアをマッチングするサービス、スケッター事業が注目を集めております。この事業は清掃や配膳、レクリエーションの実施など、介護資格が不要な業務を地域住民が担うことで職員の負担を軽減し、介助やケアの専門業務に集中できる環境を創出するものです。

既に導入している自治体の事例では、スケッターの活用により、職員の負担軽減だけでなく、事業をきっかけに介護職の魅力を実感し、職員として就職するケースも生まれており、さらには介護福祉への関心の拡大や潜在的な福祉人材の発掘にもつながっています。

国も介護未経験者や事業者のマッチングを強化するモデル事業や、未経験者から担い手となるまでを一体的に支援する事業を予算に取り込むなど、スケッター活用を強力に後押ししています。

本市においても、こうした国の支援制度や交付金を最大限に活用し、事業所の利用料補助などを実施してスケッター事業の導入を図り、地域住民の力を借りて、介護福祉現場の負担軽減と人材確保の裾野拡大の推進になると考えますが、見解を伺います。

◎長寿応援部長 斉藤健一委員の御質問の2、介護福祉施設と有償ボランティアのマッチングについて、(2)スケッター事業の導入についてお答えいたします。

要介護等認定者が増加し、ニーズがより複雑化、多様化していく中、限られた人材で一人でも多くの利用者に質の高いサービスを届けるためには、委員御指摘のとおり、多岐にわたる介護事業所の業務を整理し、介護資格が不要な業務を新たな担い手に行っていただく取組は有効と考えております。

委員御提案の介護事業所と地域の有償ボランティアをつなぐマッチングサービス、スケッターにつきましても、職員の業務負担軽減につながる可能性があることから、まずはサービス提供事業者からのお話を伺うなど、研究を進めてまいりたいと存じます。

小児回復期のリハビリテーション体制整備:小児回復期病床の現状

◆斉藤健一委員 ぜひ前向きな研究をお願いしたいと思います。

では、次に移ります。

3、小児回復期のリハビリテーションの体制整備について、(1)小児回復期病床の現状について質問します。

小児医療の進歩により、多くの命が救われる一方で、脳血管疾患や外傷性脳損傷などにより、退院後に継続的なリハビリを必要とする児童が増加しています。しかし、成人の回復期病床に比べ、小児を受け入れる施設の不足、いわゆる小児リハビリの空白が深刻です。

本日、保健衛生局に伺うのは、子ども未来局所管の障害福祉サービスとしての療育ではありません。急性期治療を終えた直後、医学的管理下で集中的に行う医療保険適用の回復期リハビリテーションについてです。療育へ移行する前の機能回復の予後を左右する重要な医療の段階において受皿が不足している現状は、地域医療計画を所管する保健衛生局の課題であると考えます。

そこで、初めに、市内の受入れ体制の定量的把握です。市内において、小児の脳血管疾患や脳症後の回復期リハビリを受け入れている医療機関、病床数をお聞きします。また、それは小児専用病床なのか、成人病棟への混在なのか、実態数を伺います。

次に、需要ギャップと医療の空白への認識です。市内で受入先が見つからず、市外、県外の専門病院へ転院、通院せざるを得ない市外流出のケースを認識しているか伺います。

また、受入先がないために急性期病院に長期滞在したり、十分な医療リハビリを受けられないまま在宅や療育へ移行せざるを得ないケースは、まさに医療と福祉のはざまに陥っている状態です。この状態を解消することは医療政策を担う保健衛生局の役割と考えますが、見解を伺います。

◎保健部長 お答えさせていただきます。

まず、各医療機関の病床で担う医療機能につきましては、医療法に基づきまして、病床機能報告制度によって埼玉県が調査を公表してございます。その中で本市内の回復期病床を有する医療機関につきましては、令和6年7月時点になりますけれども、13医療機関、病床数につきましては736床となってございます。

そのうち、小児の脳血管疾患や脳症後の回復期リハビリを受け入れている医療機関、病床数につきましてはデータがございません。こちらについては把握していないという状況にございます。

次に、市外流出に関してでございますけれども、医療資源につきましては限られておりますことから、高い専門性があって二次医療圏単位での対応が困難な医療につきましては、埼玉県が医療圏の垣根を越えまして、県全体として整備するものと認識してございます。したがって、必ずしも市内で完結させなければいけないというものではなく、市外の医療機関を受診することもあり得ると考えてございます。

また、急性期病院の退院に向けた調整につきましては、地域連携等の担当部門が患者の状態や保護者の意向等を踏まえて丁寧に検討いたしまして、医師の指示の下、ケースに応じて転院先医療機関の提案等をしていると聞いているところでございます。関係機関が連携いたしまして、継続した医療の提供を行っているものと認識してございます。

◆斉藤健一委員 ちょっと再質問します。

もし転院が必要となった場合に、転院先の相談というのは市ではどのように対応されていますでしょうか。

◎保健部長 お答えさせていただきます。

まず、転院の相談というのは一義的には各病院で行っていると考えてございます。

小児回復期のリハビリテーション体制整備:医療機関への財政支援と県・国への要望

◆斉藤健一委員 病院がやることだと。

では、(2)医療機関への財政支援について、民間病院が参入しにくい背景には、診療報酬上の採算性の低さ、専門職PT、OT、STや保育士等確保が難しいこと、そして院内学級等の設備等費負担があります。これらの経営課題を民間の自助努力だけで任せるのでなく、小児リハビリ用の病床確保や機器導入、専門人材の育成に対し、市としての独自の助成や支援が必要と考えます。

子育てしやすいまちを標榜する本市として、単に国の医療計画に従うだけでなく、当事者の切実なニーズに応え、安心して医療を受けられる体制をどう構築していこうと考えているのか、本市の見解を伺います。

◎保健部長 お答えいたします。

脳血管疾患や外傷性脳損傷による小児回復期のリハビリテーション体制整備につきましては、一定の質の維持やスタッフの確保を含めた病院運営等を踏まえると、県単位での対応が適当であると認識してございます。また、高次脳機能障害によるリハビリテーションにつきましては、埼玉県地域保健医療計画、県の計画のほうですね。こちらに埼玉県が医療機関の機能分化と連携の促進や埼玉県総合リハビリテーションセンターでの対応等に取り組むこととされております。

それを受けまして、市としては独自の財政支援を行うことは考えておりませんけれども、本市におきましても小児を含めた高次脳機能障害に関する御相談につきましては、さいたま市障害者更生相談センターが窓口として対応を行っているところでございます。

◆斉藤健一委員 いずれにしても実際に当事者にとっては受入先がないということで、実際に市外でもなく県外の病院にも行っているケースがさいたま市民の中でおりますので、しっかりそういう人たちの当事者の声に寄り添って、その上で県とか国に、さいたま市としても強く要望していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

◎保健部長 お答えさせていただきます。

我々も医療計画とかそういったものと、あとは地域医療構想を県のほうで主催してございますけれども、地域医療構想調整会議に参画してございますので、そちらで我々としても意見を言わせていただきたいというのと、あと、それの事務局が埼玉県ですので、我々も事務局とも連携を深めまして、そういった市が望むようなそういう体制づくりとか、そういったものに意見を言っていきたいと考えてございます。