<一般質問通告書>
1, 子どもたちの学習環境→(1)医療的ケア児の校外学習支援・(2)校舎の断熱改修
2、障がい者の生活支援→(1)就労継続支援B型事業所の工賃向上・(2)親亡きあとの生活確保
3,介護現場の負担軽減→(1)介護士の人材確保と処遇改善・(2)介護ケア技法ユマニチュードの普及
4,防災情報の発信強化→(1)ラジオ放送の自動音声システムの導入
*なお、この質問・答弁要旨についての模様は、下記の録画配信からご覧頂けます。
↓こちら!
録画配信 | さいたま市議会インターネット議会中継
質問・答弁要旨
1, 子どもたちの学習環境→(1)医療的ケア児の校外学習支援・(2)校舎の断熱改修
〇西山幸代副議長 市政に対する一般質問を続行いたします。 それでは、順序に従い、順次質問を許します。 斉藤健一議員 なお、斉藤議員から資料掲示及びスクリーン映写の申出があり、許可いたしました。
◆斉藤健一議員 おはようございます。公明党さいたま市議会議員の斉藤健一です。
1、子供たちの学習環境の(1)医療的ケア児の校外学習支援について質問いたします。現在、市内市立小中学校に通われている医療的ケア児の掌握は、就学前の保護者面談や就学前健康診断などで校内学習時に医療的ケアが必要かどうかを確認して、医療的ケアが必要なお子さんについては、2021年9月に施行されました医療的ケア児支援法により医療的処置が行える看護師の配置が義務づけられました。
さいたま市も支援法に基づき、国からの補助を受け、医療的ケアが必要な児童生徒に対しては看護師を配置しています。しかし、さいたま市の看護師配置は校内学習に限っています。修学旅行や舘岩少年自然の家で宿泊を伴う校外学習については、医療的ケア児が安心して参加するための看護師帯同制度ができていません。
特に校内学習では医療的ケアが不要な児童生徒でも、宿泊を伴う校外学習では医療的ケアが必要な子供もおります。また、教育委員会では、校内学習で医療的ケアが不要な子供は医療的ケア児に認定されておらず、医療的ケア児支援法の対象外になっています。 再度、全ての児童生徒に対して、校内では医療的ケアが不要でも家庭で医療的処置をしている児童生徒を掌握していただき、特に校内学習では不要でも、宿泊を伴う校外学習のときは医療的ケアが必要な児童生徒に対しても、看護師帯同を制度化すべきと考えます。
制度化になっていないため、一部の学校では医療的ケア児を校外学習に参加させる条件として保護者の同伴を求める学校があると聞いています。そのため、仕事をしている保護者は仕事を休むため、その分の賃金が減り、交通費や宿泊費などの同行費用も全額自己負担となっています。
医療的ケア児支援法では、校外学習においても保護者の同校がなくても安全安心に医療的ケア児が校外学習に参加できるように看護師同行の措置を図り、保護者の負担を軽減し、離職を防止することを目的としています。この支援法に基づき、校外学習のみでも医療的ケアが必要な子供が参加する場合は、保護者の同伴がなくても安心して参加できるように看護師の同行派遣を制度化することについて、見解を伺います。 ○西山幸代副議長 教育長
◎竹居秀子教育長 斉藤健一議員の御質問の1、子供たちの学習環境、(1)医療的ケア児の校外学習支援についてお答えいたします。
議員からもございましたとおり、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、いわゆる医療的ケア児支援法におきまして、学校設置者は学校に在籍する医療的ケアを必要とする児童生徒に対して適切な支援を行う責務を有すると示されております。教育委員会といたしましても、医療的ケアを必要とする児童生徒に対する支援は必要不可欠であると認識しており、一人一人の児童生徒の健やかな成長を図るとともに、保護者の負担を軽減するために取り組んでいるところでございます。
具体的な取組といたしましては、学校で生活する中で、日常的に看護師による導尿や吸引等の医療的ケアを受けることが必要な児童生徒に対して、訪問看護ステーション等の看護師を派遣し、医療的ケアを実施しております。また、児童生徒の将来的な自立を考えて、児童生徒自身で実施する際の補助や見守り等を看護師が行っている場合もあり、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるような環境を整えております。
さらに、今年度から看護師による支援の範囲を拡大し、校内における学校生活だけではなく、校外学習においても看護師が同行することで保護者の負担軽減を図るなど、支援の充実に努めております。しかしながら、議員御指摘のとおり、学校生活において看護師派遣を必要としない場合、修学旅行や舘岩少年自然の教室等の宿泊を伴う校外学習に参加する際の看護師派遣については対象となっておりません。教育委員会といたしましては、学校での医療的ケアの必要の有無にかかわらず、宿泊を伴う校外学習時の看護師派遣の制度化について、他の自治体の取組などを参考にし、対応可能な訪問看護ステーション調査や予算の確保等、様々な課題を整理しながら前向きに検討してまいります。
◆斉藤健一議員 前向きな検討ということで、よろしくお願いいたします。次に移ります。(2)学校の断熱改修について質問いたします。
近年、地球温暖化などの進行によって夏季の気温が上昇しており、今夏の7月のさいたま市の最高気温が35度以上になる猛暑日の日数は18日間と、過去10年間で最多の日数となりました。こうした気温上昇の傾向は、今後さらに進むことが予想されていることから、今や熱中症対策は喫緊の課題となっています。こうした中で、学校の普通教室へのエアコン整備が一斉に進められましたが、その際に教室への熱侵入を防ぐ断熱性確保工事を併せて行ってきませんでした。
全国的に老朽化が進む学校施設の大半は無断熱の仕様のままであり、近年の猛暑日では幾らエアコンの設定温度を低くしても、気温が30度以下に下がらないといった事象が起きています。とりわけ放射熱が伝わりやすい最上階の教室や日差しの強い教室は、子供たちの健康自体が危ぶまれる事態となっています。
小学生低学年のお子さんがいる保護者からは、猛暑日に学校から帰宅するときは、死んだようにぐったりして帰ってくると言われております。本市の断熱改修はリフレッシュ工事で行っていますが、まだ全体の8.3%しか工事ができておらず、100%工事完了するまでには、まだ20年から30年かかるとも言われています。今後、さらに暑くなる気候変動は待ってくれません。また、断熱改修は、暑い夏だけではなく、寒い冬の季節は暖房された教室の温度を維持する効果もあります。
この写真は、2年前に大宮区の芝川小学校で、あまりにも最上階の教室が暑いので、ワークショップで子供たちと一緒に断熱材の改修工事を行った写真です。これにより施工前よりもマイナス5度の涼しさになりました。しかし、今夏は、さらに暑い日が続いたため、窓からの放射熱を遮る反射板を窓に立てていました。
せっかく完備されたエアコン教室で、ゼロカーボンシティを宣言しているさいたま市は、高騰している電気代の中、エアコンに電気料などの負荷をかけずに省エネで設定温度をしっかり効かせて、快適に子供たちが授業を受けられるように、リフレッシュ工事とは切り離して、断熱材以外の他の手法を取り入れた断熱改修を進めることについて見解を伺います。
◎竹居秀子教育長 斉藤健一議員の御質問の1の(2)校舎の断熱改修についてお答えいたします。
近年、議員御指摘のとおり猛暑日が続いており、児童の健康維持のために、学校における暑さ対策は喫緊の課題であると認識しております。現在、学校施設の新築や改築時において、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律及びさいたま市環境配慮型公共施設整備方針にのっとり、断熱改修等環境に配慮した施設整備に努めております。具体的には、学校施設リフレッシュ工事において屋上への断熱敷き込みや遮熱塗料を採用するなど、各学校の状況に応じた断熱対応を行っております。また、昨年度末には、環境局と教育委員会事務局の職員で組織しました断熱材を活用した環境教育推進庁内検討会を設置したところでございます。
この検討会は、断熱材を活用した環境教育を推進するための方策を検討するもので、今年度におきましては、東宮下小学校と和土小学校、2校の教室において、児童自身が実際の教室に断熱材等の取付けを行うなど、断熱改修を体験する断熱改修ワークショップを実施したところでございます。このワークショップを通して、児童は断熱の必要性について学ぶとともに、断熱未施工の教室と簡易的に断熱化を施した教室の温度差等を改めて体感したところです。児童からは、教室の空気がすごく変わったとか、家にこの断熱材をつけてみたいなどの感想があり、次世代を担う子供たちの行動変容につながったものと認識しております。
今後、学校では、このような環境教育の視点を取り入れた理科や家庭科の授業と、児童が保護者や地域にその効果を紹介することなどを通して、断熱改修を含めた地球温暖化対策の重要性について共有する予定でございます。
教育委員会といたしましては、各学校の成果と、議員御紹介の芝川小学校の実績等も踏まえ、費用対効果や断熱材以外の手法など、より効果的な断熱化の方法を研究しますとともに、CO2の削減や省エネなど地球環境に配慮した事業を引き続き展開してまいります。
2、障がい者の生活支援→(1)就労継続支援B型事業所の工賃向上・(2)親亡きあとの生活確保
◆斉藤健一議員 子供たちの学習環境をぜひ守っていただきたいと思います。よろしくお願いします。次の質問、2、障害者の生活支援の(1)就労継続支援B型事業所の工賃向上について質問いたします。
令和4年度のB型事業所の工賃の全国平均は1万7,031円で、埼玉県の平均工賃は全国よりも約2,000円低い1万5,024円の47都道府県で44位です。そして、さいたま市の平均工賃は、その埼玉県よりも約1,000円低い1万3,971円で、全国的にも最低の工賃になっています。さいたま市は市内B型事業所の平均工賃をどのように判断しているのか、伺いたいと思います。また、障害者が日中通う場所として、B型事業所と生活介護事業所の違いについても伺いたいと思います。
B型事業所は、単に働く場を提供するだけではなく、障害者の方々が自身のペース
で社会参加と自立を目指せるよう段階的な支援を提供する重要な役割を担っています。日中の居場所ではなく、将来、一般就労やA型事業所などへステップアップの観点が大事であります。
先ほど、さいたま市の平均工賃は全国最低レベルと申しましたが、同じ市内のB型事業所の中には、6万円、7万円と、県内トップクラスの工賃を出している市内事業者もあります。埼玉県はB型事業所の工賃向上計画を作成し、令和5年度までに2万円を目標に取り組んできましたが、未達になっています。そこで、県は本年6月にB型受注拡大ステーションを開設しました。これは、さいたま市のB型事業所も利用可能になっております。
そこで、さいたま市のB型事業所が単に日中の居場所で終わらないように、市内110事業所の中で平均工賃が2万円より低い事業所に対しては、ステップアップに向けてどのように取り組んでいるのか。利用者はどのように作業して過ごしているのか。訪問による実態調査を行い、さいたま市も工賃向上計画を作成し、まずは平均工賃2万円を目標に取り組んでいくことについて、見解を伺います。
◎山﨑勝福祉局長 斉藤健一議員の御質問の2、障害者の生活支援、(1)就労継続支援B型事業所の工賃向上についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、本市のB型事業所の平均工賃は、全国平均、埼玉県平均よりも低い状況となっております。その要因といたしましては、B型事業所からは身体的な状況などから長時間の作業は難しい方が多く、工賃が上がりにくい。また、職員に時間的な余裕がなく、工賃向上に向けた新たな取組を行うことが難しいなどといったお話を伺っているところでございます。このような要因が複合的に組み合わさり、工賃が低くなっているものと考えているところでございます。
また、B型事業所と生活介護事業所の違いでございますけれども、B型事業所は一般企業等で就労が困難な方に働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のため必要な訓練を行うサービスでございます。一方、生活介護事業所は、常に介護を必要とする方に入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに創作活動または生産活動の機会を提供するサービスでございます。
こうした中、本市におきましては、国の指針により埼玉県が定めます埼玉県工賃向上計画に基づきまして、B型事業所の製品の開発力や販売力、情報発信力を向上させるために取組を行っております。
具体的には、授産支援アドバイザーの派遣、自主製品の見本市の開催、授産活動支援講座の開催のほか、下請軽作業の受注調整や優先調達の調整及び情報提供を行っております。また、実際、B型事業所を訪問いたしまして、各事業所の状況把握にも努めております。
今後につきましては、自主製作ネットショップのサデコMONOがたりにおける販売支援などの新たな取組にも挑戦しながら、埼玉県の目標であります平均工賃2万円に向けまして各諸施策を展開してまいりたいと考えております。
◆斉藤健一議員 再質問させていただきます。
今、局長のほうから、さいたま市も様々取り組んでいるとお話がありました。ただ、これは従前から行われている政策で、それでも工賃が上がっていないのが現状であります。
実態調査も行われているとも言われていましたが、実態調査の結果、とても就労継続支援B型とは言えないような事業者、例えば、介護報酬を大体利用者1人当たり10万円以上、事業者は受け取っておりますが、工賃が2,000円から3,000円の事業者に対して、指定権者のさいたま市としてはそのような事業者に対しては、今後どのように指導されていくのか、再度伺いたいと思います。
◎山﨑勝福祉局長 斉藤健一議員の再質問にお答えいたします。
平均工賃が著しく低いなどの運営体制に不備が疑われるような事業所に対しましては、優先的に運営指導を実施するなど必要な指導を行ってまいりたいと思います。
◆斉藤健一議員 しっかりB型事業所としての使命が果たせるように指導をお願いしたいと思います。次の質問に移ります。(2)親亡き後の生活確保について質問いたします。
最近の市民相談の中で、障害者の子供と同居している親御さんが80歳代になり、その親御さんから、自分がいなくなった後に自立生活が厳しい、難しい子供はどのように生活していけるのか、不安であるとの相談を受けました。親も80代に入ると体力の衰えや病気による親子共倒れが懸念されています。そのため、親が亡くなった後の障害者の生活支援が重要な課題となっています。住居の確保は特に重要で、親の死後、障害者がどこで、どのように生活するのか。どのようなサービスや給付を受けることができるかなど様々な問題があります。
さいたま市は障害者の住まいの場であるグループホームの整備を推進していますが、事業者からは、人、物、お金の課題があり、新しい施設の開設は簡単ではないという声も聞きます。
そこで、現在、施設に入居していない、市内全ての障害者本人と御家族に対して、将来、親または御兄弟の亡き後の生活をどのように考えているか。訪問による実態調査を行い、特に重度障害者の方が安心して市内のグループホームで受入れできる施設整備を推進すべきと考えます。
また、福祉担当者が訪問することで、訪問先では住居の確保だけではなく、生活費の確保や生活支援サービスの利用なども一緒に御案内することが可能で、冒頭の不安を感じている親御さんにとって、さいたま市に住んでいる限り、私がいなくなっても子供が心配なく、さいたま市に住み続けられると安心していただけると思います。
とかく行政の支援は相談に来られた方には対応されますが、特に8050のような悩みを抱えている家庭では、積極的に行政に相談されない方が多くいるように感じます。これらの課題解決のためには、アウトプット方の相談支援として、在宅障害者に対して訪問による実態調査を行い、親亡き後の生活確保を図ることについて見解を伺います。
◎山﨑勝福祉局長 斉藤健一議員の御質問の2、障害者の生活支援、(2)親亡き後の生活確保についてお答えいたします。
障害のある方の生活を高齢の親が支援している状況につきましては、全国的な課題であり、親亡き後を見据え、障害のある方の生活を地域全体で支える体制の整備が求められていると認識しております。本市におきましては、障害のある方の地域での生活を支援するため、各区に障害者支援地域協議会の設置を進めております。関係機関が連携し、地域の課題解決に向け、取り組んでいるところでございます。
障害者支援地域協議会は、区役所支援課や障害者生活支援センター、入所施設、グループホーム、通所施設等により構成されておりまして、親亡き後の生活を支える支援につきましても、重要な検討課題というところでございます。
議員御提案の訪問による実態調査につきましては、障害のある方の生活を支援する上で重要な取組であると認識しております。今後、区役所支援課や障害者生活支援センターを中心に関係機関と連携しながら、障害の内容や年齢、世帯構成、サービスの利用状況等踏まえまして、優先度の高い方から訪問を実施してまいりたいと考えております。
◆斉藤健一議員 1点再質問させていただきます。今、答弁で、優先度の高い方からの訪問実施を行うとありました。この優先度とは、8050のような家庭を最優先して、本年度から実施していただけるということでよろしいでしょうか。
◎山﨑勝福祉局長 斉藤健一議員の再質問にお答えいたします。
優先度につきましては、その世帯の年齢であるとか、先ほど申しました障害のサービスの提供具合であるとかを総合的に勘案しまして、なるべく早く実施してまいりたいと考えております。
3,介護現場の負担軽減→(1)介護士の人材確保と処遇改善・(2)介護ケア技法ユマニチュードの普及
◆斉藤健一議員 親亡き後、安心してさいたま市で暮らせるように、支援のほうよろしくお願いいたします。次に移ります。3、介護現場の負担軽減、(1)介護士の人材確保と処遇改善について質問します。
介護士は、高齢者や障害者の生活を支える重要な職業です。日本全国で介護士の人材不足が深刻な問題となっています。厚生労働省の調査によると、2023年度の介護士の有効求人倍率は2.48倍で、過去最高を更新し、離職率は17.6%と高い水準です。一方、介護サービスの利用者は増加傾向にあり、2025年には約700万人に達すると予測されています。このままでは介護士の供給と重要のバランスが悪化し、介護の質や安全性が低下するおそれがあります。
さいたま市でも、高齢者介護施設で介護職員が不足しているため、空床室があっても入居をお断りしている施設があります。介護士の人が集まらないと言われている主な要因として、低賃金と過重労働と職場環境の悪化などが挙げられています。対策としては、まず賃金の引上げが必要です。国は、2023年2月に介護報酬を2%程度、月額約6,000円を引き上げ、2024年度には2.5%、2025年度には2%の処遇改善を決定しましたが、全産業の平均月収には届きません。各自治体では独自の支援策を施し、介護士を目指す人の奪い合いや囲い込みの動きも出ています。
東京都では、賃金補助を月1万円から最大2万円に引き上げ、千葉県流山市では、市単独で月額9,000円の補助を行っています。また、介護士を必要とされる福祉業界を魅力ある業界にすることも重要です。
神戸市では、介護の仕事の魅力向上として、介護職員のキャリアアップ支援、外国人介護職員の受入れ、定着支援、働きやすい職場環境づくりを推進するため、「コウベdeカイゴ」プロジェクトを市が先頭に立って取り組んでおり、これはホームページのトップページですけれども、専用のホームページを開設し、このような若者が魅力を感じるようなイメージのチラシも2種類、各所でお配りして、介護職が魅力ある職業に市が率先して取り組んでおります。
さいたま市も神戸市のように、専門のホームページやSNSで補助制度や介護でやりがいを持って頑張っている介護職員の声を積極的に発信し、福祉業界を魅力ある業界にし、人材確保に取り組むことについて見解を伺います。
◎清水勇人市長 斉藤健一議員御質問の3、介護現場の負担軽減について、(1)介護士の人材確保と処遇改善についてお答えしたいと思います。
介護職員の人材確保につきましては、議員御指摘のとおり、本市としても大変大きな課題と認識しております。特に介護職員の賃金水準につきましては、以前から他産業よりも低いことが指摘されており、今年の春闘で5%以上の賃上げが実現することを踏まえれば、他産業との賃金格差はますます広がり、介護職員の人材確保はより一層厳しい状況になると考えております。
このため、介護職員の処遇改善が実現できるよう、昨年は九都県市を代表しまして、また今年度は本市単独で国に対しまして制度改善の要望書を提出しており、今後も粘り強く国に訴えていきたいと考えております。
さらには、本市独自の取組としまして、市内のより多くの事業所が処遇改善加算を取得できるよう支援したいと考え、今定例会で補正予算の審議をお願いしているところでございます。引き続き市内の介護所で働く職員の処遇が改善するよう様々な取組を進めていきたいと考えております。
また、最後に、福祉業界を魅力ある業界にするための取組につきましては、介護現場で働く職員の生の声を発信する介護の仕事のいいところというコンテンツを市のホームページで公開しておりますし、イメージアップに取り組んでまいりました。
また、今年度からは介護職員の人材確保に向けた入門的検証を実施し、介護業界に興味のある人材と市内介護事業所とのマッチングを行うこととしております。今後におきましても、御指摘をいただきました神戸市の事例など、他の先進的な事例なども参考にさせていただきながら、よりよい情報発信を行うことによって人材確保、特に若い世代の皆さんの人材確保というのは大変大きな課題だと思いますので、そういった方々も含めて、さらに私たちもしっかり努力をしていきたい、このように考えております。
4,防災情報の発信強化→(1)ラジオ放送の自動音声システムの導入
◆斉藤健一議員 市長からの答弁、ありがとうございます。今、市長からお話しありました、市のホームページにも声を載せているというのは、私も知ってはいましたが、なかなかこちらから探しに行かないと届かない。やはりプッシュ型で、さいたま市も頑張っている、介護現場で頑張っている人がいっぱいいますので、特に若い人に直接届くような、何かそういうふうに変えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。次の質問に移ります。(2)介護ケア技法ユマニチュードの普及について質問いたします。
ユマニチュードの特徴は、相手に、あなたを大事に思っていることを、見る、話す、触れる、立つの4つの柱で、相手が理解できるように届けるケア技法です。これらの柱を実践することで、介護者と介護される方の信頼関係が築かれ、コミュニケーションが円滑になります。また、介護される方の自己肯定感や生きがいが高まり、認知症の症状や行動障害の改善にも効果が期待できます。
国内の研究成果では、認知症の方の行動や心理症状が15%ほど改善され、ケアする側の負担感も20%軽減したとの有効性が確認されています。また、ユマニチュードに先駆的に取り組んでいるフランスの一部施設では、辞職したり欠勤したりする職員が半減したほか、鎮静剤といった向精神薬の使用量を9割近く減らしたという報告もあり、つまりこの技法を学んだ介護者が認知症を改善する薬になれることを示しています。
この技法を積極的に導入している福岡市では、認知症フレンドリーシティ・プロジェクトの一環として、家族介護者や施設の介護職員にユマニチュードの実証実験を実施し、その結果、暴言や徘回などの症状が軽減し、介護者の負担感も低下するといったことが見られました。このことから福岡市では、ユマニチュード推進部を設置し、家族介護者や小中学校の児童生徒のほか、市職員や救急隊員などにもユマニチュード市民講座を実践し、普及促進に取り組んでいます。ユマニチュードを普及することは、高齢者の認知症などの介護に携わる全ての方に負担軽減としてメリットがあり、技法を正しく学ぶことで、誰もが簡単に実践できる介護ケアです。
さいたま市は、本年7月1日に認知症フレンドリーまちづくりセンターをオープンしました。このユマニチュードを市民に普及することでセンターの活動や目的も充実し、認知症フレンドリーまちづくりに資することになると考えますが、市の見解を伺います。
◎山﨑勝福祉局長 斉藤健一議員の御質問の3、介護現場の負担軽減、(2)介護ケア技法ユマニチュードについての普及についてお答えいたします。
本年1月に施行されました共生社会の実現を推進するための認知症基本法において、全ての認知症の人が基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活を営むことができると基本理念を掲げたところでございます。
認知症の人に対するケアにおきましては、認知症の人のその人らしさを尊重し、その人の視点や立場に立って理解し対応することが、ケアの基本原則になっていることを認識しているところでございます。こうした考え方に基づき、本市でも認知症介護基礎研修など、介護、医療施設職員向けの研修を実施しております。さらに、広く市民の方を対象としている認知症御本人を尊重する考え方や対応方法を学ぶ認知症サポーター養成講座につきましても、認知症フレンドリーまちづくりセンターとともに連携しながら講座を実施しているところでございます。
議員御提案のユマニチュードは、見る、話す、触れる、立つの4つを柱として、あなたは私にとって大切な存在ですと伝えるための技法であり、ケアをする人とケアを受ける人がよい関係を築くことをケアの目的とする考え方は、介護に携わる方の共感を得られるものと思われます。現在、認知症の御本人やその御家族、関係団体、認知症専門家へのヒアリングを進めており、他の自治体における取組状況なども注視しながら、その活用について検討を進めてまいりたいと考えております。
認知症のケア技法につきましては、ユマニチュードのほかにもパーソンセンタードケア、バリデーションなど幾つかございますが、いずれも御本人を尊重するという基本的な考え方においては共通しております。いずれにいたしましても、本市におきましても認知症の人本位のケアや対応が広まるよう、他の介護手法なども併せまして、周知、普及について積極的に取り組んでまいりたいと思います。
◆斉藤健一議員 今、積極的に普及して取り組むという答弁いただきました。しかし、私、幾つか介護現場に行きまして、ユマニチュードって知っていますかと聞きましたら、知っているという人は誰もいませんでした。ぜひ普及をお願いしたいと思います。最後の質問に移ります。4、防災情報の発信強化の(1)ラジオ放送の自動放送システムの導入について質問します。
大規模災害が発生した場合、行政から発信される情報は、市民の安心安全に直結します。そのため、情報伝達手段を多重化することで市民に有用な情報を確実に届けることが重要です。さいたま市では大規模災害発生時に防災行政無線やメール、防災アプリ、SNSなど多様な手段で情報発信を行っていますが、これらの媒体は停電やアクセスの集中により、情報を受け取れなくなる可能性があります。停電やアクセス集中の影響を受けないラジオ放送は、乾電池さえあれば使用可能であり、フェイクニュースやデマ情報に惑わされず、正確な情報を得られる利点があります。
特に地域の実情に即した情報を発信する場合、首都直下型地震などの大規模災害時には全国区の放送局で扱う時間が前提的になるため、さいたま市民に確実に情報を伝えるためには、ホームページやSNSの利用に加え、コミュニティFMを最大限利用することは欠かせません。さいたま市は総務大臣から免許を受けたCityFMさいたまがあり、放送エリアもさいたま市全域であるため、コミュニティFMを最大限利用することで、さいたま市民に細やかな情報を含めて、確実に伝えることができます。CityFMさいたまを活用して情報を伝える副次的な効果として、特に発災直後には市民が動揺し、ショックを受けている中で、音声で伝わることにより、安心感の確保やストレスの解消にもつながると考えられます。
例えば原稿を入力するとテキスト化された情報が音声変換され、コミュニティFMの放送に乗せる自動放送システムを導入すれば、情報発信の迅速性を高め、行政職員の人的資源の有効活用につながると考えますが、見解を伺います。
◎髙橋一誌総務局長 斉藤健一議員の御質問の4、防災情報の発信強化、(1)ラジオ放送の自動音声システムの導入についてお答えいたします。
災害時においては、市民の方などに対し必要な情報が確実に伝わるよう、多様な手段を用いて情報伝達を行いますが、議員御指摘のコミュニティFMにつきましても、地域に密着した放送局という特性を生かし、本市に特化した詳しい防災情報の発信が可能であるものと認識しております。このことから、市内唯一のコミュニティFM放送局であるCityFMさいたまとは防災協定を締結しておりまして、避難情報等の緊急放送を通常のラジオ放送に優先して行うことを可能としております。
御提案いただきました自動音声システムを導入することにつきましては、本市で既に導入しております防災情報配信システムに新たな機能を追加することにより、通常のコミュニティFM放送に割り込んで緊急放送を行うことができるようになるものと理解しております。この機能を導入した場合は、現在のように本市から放送の要請を行い、相手方と事前に放送内容や放送時間等を調整する必要はなくなると見込まれ、さらなる迅速な情報伝達が可能となる一方、割り込み装置の設置や接続するための工事が必要となるなど課題もあることでございます。
いずれにいたしましても、災害時に多様な手段を用いて正確な情報伝達を行うことは大変重要なことでございますので、迅速、的確に情報発信を実施できるよう、CityFMさいたまとの調整も含め、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○西山幸代副議長 以上で、斉藤健一議員の質問は終了いたしました。