<質問通告>
1,子育て支援について
(1)多子世帯支援について
(2)不払い養育費の確保について
(3)医療的ケア児の保育園等受入れ支援について
2,学校教育環境について
(1)タブレットパソコン故障時の対応について
(2)教員の働き方改革の推進について
(3)いつでも学び直しが出来る学校について
3,市民の健康長寿について
(1)セカンドライフ支援センターの拡充について
(2)誰もが受けやすい歯科検診について

○斉藤健一議員 公明党さいたま市議 会議員の斉藤健一です。今回の一般質問も、市民の皆様から様々ご相談いただく中から質問させていただきます。
1、子育て支援について、(1)多子世帯支援について。中間所得の多子世帯では、お子さん1人または2人いる世帯より家庭収入が多くても、3人以上お子さんがいる家庭のほうが可処分所得が少なくなっています。多子世帯の保護者からの声として、一生懸命夫婦で子育てしているのに、一向に生活が楽にならない。子供が大きくなればなるほど支出が増えて、生活が苦しくなるとの声を聞きます。さいたま市も今まで多子世帯に対して様々給付 支援を行ってきていますが、特に中間所得世帯に対しては支援が行き届いていない状況であります。そのため、3人目を夫婦で希望されても、経済的負担が大きく、諦めている家庭もあります。さいたま市が、子育て大変より、子育て楽しいが上回るためには、もう一段ギアアップした中間所得層までの多子世帯への支援が必要と考えます。今までの支援内容は現金給付が中心でしたが、現金給付は使い勝手が自由で便利であります。その反面、本当に子供のために使われているのか、それ以外の目的に消費されていないか、確認することができません。子育ての経済的支援は、給付だけでなく、子育てで支出される金額を少なくする支援も経済的支援につながります。そこで、支出削減支援として、今まで我が会派からも要望してまいりましたが、多子世帯に対して学校給食費の無償化、放課後児童クラブ指導料の補助、水道料の減免、高校3年生卒業までの医療費無償化、そして現物給付としてお米の給付など、家計支出支援について市の見解を伺います。

○清水勇人市長 斉藤健一議員のご質問の1、子育て支援について、多子世帯支援についてお答えしたいと思います。
議員ご指摘のとおり、子供を育てていくためには、衣食住をはじめ教育費など経済的に大きな負担がかかり、 多子世帯ともなれば、その負担はさらに増えることは認識しております。本市では、多子世帯支援の取組として、児童手当の第3子加算、認可保育施設保育料の第3子無償化等のほか、今年度から新たに本市独自の少子化対策の取組の一つとして、多子世帯に、育児に要する費用の経済的負担を軽減し、安心して子育てができる環境づくりを推進していくために、第3子以降の出生児1人当たり5万円を支給する多子世帯子育て応援金給付事業を 実施しております。議員ご提案の放課後児童クラブ利用料の多子世帯に対する補助につきましては、経済的負担を軽減する観点からも重要であると認識しており、新たに設置いたしました、こどもまんなか・少子化対策会議における 少子化対策に資する取組の推進の中で検討してまいりたいと考えております。また、高校3年生卒業までの医療費無償化につきましては、重要な課題だと認識しております。国や県の動向を注視しながら、将来的な財政負担を含め、持続可能な制度として安定的に実施していくため、様々な観点から検討を進めているところで ございます。また、お米の現物支給につきましては、経済的負担軽減や子供の健康を支える直接的な取組であると認識しておりますが、子育て家庭のニーズ等を踏まえ、十分な検討が必要であると認識しております。引き続き本市の特性また実情を踏まえた子ども・子育て施策に取り組むとともに、多子世帯への効果的な支援の在り方についても検討を進めてまいります。

○蓮沼利昭水道局長 斉藤健一議員のご質問の1、子育て支援について、(1)多子世帯支援についてのうち、水道局所管部分についてお答えいたします。
本市におきましては、子育て世帯に対する家庭支出支援につきまして、現在、児童扶養手当の給付を受けている方、市民税、県民税が非課税の世帯の方など、支援の必要のある皆様を対象に水道料金の基本料金相当額を減額する措置を取っております。水道事業は、地方公営 企業 として独立採算制の下、事業運営を行っていることから、中間所得層の多子世帯を減免の対象とすることは、水道料金の使い道として、経費負担の原則からの整理、財源の確保など課題も多いと認識しております。水道局といたしましては、関係部署と連携し、また他都市の状況等について調査研究してまいりたいと考えております。

○栗原章浩副教育長 斉藤健一議員のご質問の1、子育て支援について、(1)多子世帯支援についてのうち、教育委員会所管部分についてお答えいたします。
本市は、全ての小中学校に単独給食室が整備されていることや、国の基準にかかわらず、全ての学校に栄養教諭等を配置していることなどの優位性を最大限に生かし、安心安全な学校給食の提供はもとより、さいたま市民の日の給食、地元シェフによる学校給食など特色ある給食の提供、アレルギー対応を含め、きめ細かな食の指導を実現しているところでございます。加えて、今年度は地域の方を招いた学校給食をより推進し、地域の方にも本市の学校給食を味わっていただくとともに、地域との関わりから社会性を養うことや、郷土食、行事食の実施により地域の文化や伝統に対する理解、関心を深め、健やかな成長を後押しする事業を実施しているところでございます。昨年度より学校給食用食材物価高騰分を各学校に補助することにより、多子世帯に限らず保護者負担の軽減を図るとともに、教育に係る費用の負担が困難な保護者の方々につきましては、従来の就学援助制度をご活用いただき、学校給食費の全額免除をするとで、その負担軽減を図っているところでございます。多子世帯を対象とした学校給食費の無償化につきましては、有効な多子世帯支援の一つと認識しておりますが、将来的な財政負担を含めた制度設計について研究が必要であると考えております。さきに公表された、こども未来戦略方針の素案におきましては、学校給食費の無償化実現に向けて実態調査を行った後、課題を整理し、具体的な方策を検討するとの方針が示され、学校給食無 償化の課題整理等を行うとの内容が示された、いわゆる骨太の方針も閣議決定されたところでございます。今後、国において学校給食の施策、財源について議論がなされるものと考えております。各局との連携を図りながら、こちらの動向についても注視してまいりたい、そのように考えております。

○斉藤健一議員 (2)不払い養育費の確保について。令和3年度の厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査結果では、養育費を現在でも受けているとされる母子家庭は 28.2 %で、約7人に2人ととどまっており、反対に養育費を受けたことがないとされる母子家庭は 56.9 %にも上っています。実に半数以上の子供が父親から養育費を受け取っておらず、また母子家庭の平均年間収入は 272万円と低所得世帯であるため、養育費を受け取れていない母子家庭のお子さんは栄養失調の危機という非常に厳しい状況にさらされています。さいたま市においても、令和4年度の児童扶養手当受給資格者 7,210 人のうち、養育費を受け取っていない受給資格者は 5,065 人と 70.7 %で、国の調査結果と同様に養育費を受け取れていないさいたま市の子供たちが栄養失調になっていないか、心配であります。そのため、さいたま市は養育費を確実に受け取ることができるように、民間保証会社と養育費保証契約を締結する際に負担する保証料を補助していますが、申請件数は令和3年度が2件、令和4年度が4件と、あまり効果が出ていません。先月、民間保証会社ではなく、行政が養育費不払いの立替えをしている明石市を視察してきました。明石市も、依然は保証契約補助を実施していましたが、利益を追求する民間企業が主体であるため、支払い義務者が資力に乏しく、回収が期待できない場合や連絡先が 分からない場合には審査が通らない可能性があります。そのため、独り親の家庭格差がますます拡大する弊害が見受けられたため、親の立場ではなく子供の立場に立つことを理念とする明石市は、養育費の立替えと支払い義務者に市が督促を実施することで、多くの子供への養育費の支払いが正常化につながる効果が表れています。こどもまんなか応援サポーター宣言されたさいたま市において、審査に関係なく確実に養育費を受け取れるために行政が不払い養育費の立替え支援を行うことについて、見解を伺います。

○池田喜樹子ども未来局長 斉藤健一議員のご質問の1、子育て支援について、(2)不払い養育費の確保についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、独り親の方々は、子育てと生計の担い手という2つの役割を全て一人で担わなければならず、経済面、生活面、精神面等において様々な困難を抱えており、特に経済面では厳しい状況にあるものと認識しております。こうした中で、本市では、独り親の方々が養育費を確実に受け取れるよう支援するため、弁護士による養育費相談、養育費の取り決めに係る公正証書等の作成費用 や養育費保証契約に係る保証料の補助などを実施しております。議員ご提案の明石市で実施しております子供の養育費立替支援事業につきましては、養育費の不払いが生じた際に養育費を支払うべき義務者に対し市が働きかけを行い、それでもなお支払いがない場合は、養育費を受け取るべき人に対して市が一時的に養育費の立替えした上で、義務者に対して督促等を行う事業として伺っております。明石市の事業につきましては、養育費の不払い解消に向けた先進的な取組であり、独り親家庭への効果的な支援であると認識しておりますので、本市といたしましても養育費を確実に受け取 り 、子供が不利益を被らないような取組について、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○斉藤健一議員 (3)医療的ケア児の保育施設等受入れ支援について。年々需要が高まる医療的ケア児保育の充実を図るため、さいたま市は新たに(仮称)医療的ケア児保育支援センターを本年 11 月に開設いたします。このセンターでは、医療的ケア児とその家族への支援、医療的ケア児保育の提供認可する保育施設への支援を実施することとなっています。
医療的ケア児の保育要件として、施設の全職員が医療的ケア児保育の研修講義などによるスキルアップが大前提となります。その上で、制度として看護師の確保と医療備品等の施設整備が必要となります。現在、どの業界でも人手不足の中、特に国家資格の看護師確保については、募集経費と継続雇用等の人件費が膨らみ、施設運営費を圧迫しています。人件費等については市から補助金が入っていますが、就学前の子供を安全に受け入れるには、医療的ケア児1対1の看護師配置数にプラス1名の看護師が現場では必要です。プラス1名の補助はありません。また、看護師が病院勤務ではなく保育施設等で働くこと自体の認知度が低いため、募集しても人材が見つかりにくい上、病院に比べ勤務時間が短く、給与が少ないなどの理由から、定着が難しくなっています。さいたま市が医療的ケア児保育を推進するのであれば、受入れを考えている施設に対して、看護師の人件費補助の拡充と安全確保の支援が必要であります。現在、市立小学校で医療的ケア児を受入れする場合、看護師は市教育委員会が訪問看護ステーションと業務契約して、学校に必要な時間帯に来ていただいています。 保育園等の看護師についても、市が間 に入って訪問看護ステーションと業務委託して締結したり、また大阪府豊中市では、医療的ケア児が地元の学校で学べるように、市立豊中病院と教育委員会が協定を結び、病院から学校に看護師を派遣しています。派遣された学校看護師の所属先は市立豊中病院として、給与も病院勤務の看護師と同水準で、雇用の安定にもつながっています。さいたま市も市立病院を持っていますので、豊中市のようにさいたま市立病院と協定を結び、保育看護師として安定確保を図ることについて見解を伺います。

○池田喜樹子ども未来局長 斉藤健一議員のご質問の1、子育て支援について、(3)医療的ケア児の保育園等受入れ支援についてお答えいたします。
本市の保育所における医療的ケア児の受入れにつきましては、令和2年度より市のモデル事業による受入れを1区1園で開所いたしまして、令和5年4月現在では5区7園にて 18 人の医療的ケア児の受入れを行い、その拡大を図ってまいりました。さらに、本年 11 月には、新たにさいたま市医療的ケア児保育支援センターの開設を予定しており、未就学の医療的ケア児とその家族に対する相談 、助言、情報提供などの強化充実を図るとともに、医療的ケア児の受入れを行う保育施設に対する相談支援や研修など、医療的ケア児保育の提供に係る支援により、保育施設職員のスキルアップ等も併せて図ってまいります。現在、同センターは事業者の公募を行っているところであり、今後、事業者の決定の後、詳細な事業計画を作成してまいります。
また、議員ご指摘のとおり、保育施設の医療的ケア児受入れに当たっては、看護師の安定的な確保が重要であるものと認識しております。看護師の確保は、一義的には運営法人が担うものではございますが、安 定的な運営のためには、同センターの技術的な支援に加え、市としての看護師確保の支援が必要であるものと考えております。現在、本市の看護師確保の支援といたしましては、看護師配置への人件費等の補助として、国による医療的ケア児2名までの受入れに対する補助に加え、3人目以降の受入れに対して、市の独自の補助を行っております。保育施設における医療的ケア児受入れに当たっての必要な支援については、保育施設等の 御 意見なども参考に、市や同センターにおいてどのような役割を担っていくのか、今後検討を進めてまいりたいと考えております。また、議員ご提案の訪問看護につきましては、小学校や他都市で事例があることは認識してございます。しかしながら、保育施設においては容体の変わりやすい乳幼児を長時間預かる施設であるという特性から、看護師を必置とすることを、さいたま市保育所等における医療的ケア児の受入れ等に関するガイドラインで定めております。現行の実施方法に加え、補完的に訪問看護を導入する可能性については、受入れ施設や同センターの事業者等の意見を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。今後の本市の医療的ケア児保育につきましては、利用者や事業者等の声を丁寧に伺いながら、さらなる医療的ケア児の受入れの拡大に向けて支援の充実に努めてまいります。




○斉藤健一議員 それでは、2番、学校教育環境について、(1)タブレット故障時の対応について。
さいたま市教育委員会では、令和3年度より本格的にGIGAスクール構想を始動して2年が経過しました。これによって、児童生徒1人1台のタブレットパソコンを活用することで、子供たちの学びの形がアップデートされることが期待されます。タブレットパソコンを活用した学習が多くなることで、精密機械のため、机から落下等で故障するパソコンも増えており、故障した場合、修理に出しますが、学校現場では修理依頼の仕方が煩雑で、依頼作業が先生の負担増にもなり、故障してもしばらく学校で保管されたままになっているとも聞きます。そもそもすぐに修理に出しても、子供の手元に戻るまで半年から1年かかっているとも聞きます。この間、修理中の児童生徒はパソコンがないため、学校現場では1人1台のパソコンではなく、持っている子のパソコンを貸してもらったり、複数人で1台のパソコンになっています。また、パソコン授業に慣れた先生も、長期間修理中でパソコンのない子供に配慮して、パソコンを活用した授業を減らしている先生もいるとも聞いています。何より修理中の子供は、自宅に持ち帰れないため、自宅での学習機会の不平等にもなっています。パソコンは精密機械ですので、大事に使用することは大前提ですが、普通に使用していても不具合が発生したり、一つの教室で 35 人以上の子供たちが小さな机で一斉に使えば、何かしらの衝撃で故障することは避けられません。教育委員会が、児童生徒誰一人として取り残さないGIGAスクール構想を力強く推進していくのであれば、故障時の対応としては、まずは 100 %代替機の対応ができるように整備していただきたいと思います。また、同時に、落下防止対策も図っていただきたいと思います。例えば滑り止めシートやシールを貼ったり、落下しても地面に落ちないようにタブレットにストラップを着用するなどの検討も含めて、故障時の対応について市の見解を伺います。

○竹居秀子教育長 斉藤健一議員のご質問の2、学校教育環境について、(1)タブレットパソコン故障時の対応についてお答えいたします。
故障端末の修繕には一定の時間を要しているため、議員ご指摘のとおり、児童生徒の中にはこれまで端末が手元にない状態が続いてしまったケースもございました。教育委員会といたしましては、不便をかけた児童生徒には大変申し訳なく思うとともに、この現状を一刻も早く改善すべきであると考え、対応してまいりました。
具体的には、今年度予算を確保し、児童生徒用端末の修繕代替機として、新たに 1,500 台の端末を調達し、既に配備済みのものと合わせますと約 4,500 台となります。現在、故障等により修繕中の端末は 4,356 台でございますので、現時点で全ての児童生徒分の端末を確保することができました。
また、議員ご指摘のとおり修繕期間が長いことが課題でございましたので、端末事故報告の事務処理の軽減など、修繕の作業工夫の見直しを行い、修繕期間の短縮化を進めているところでございます。次に、端末の落下等による故障を防ぐ対応についてでございますが、これまでも端末の机上への置き方を写真で示した資料を学校へ配布したり、子供が端末の持ち運び方を理解しやすいよう、分かりやすく解説した動画を公開したりするなど、注意喚起に努めてまいりました。しかしながら、端末の活用が進むにつれ端末に触れる頻度が高くなることで、落下による故障の件数も増加する傾向がございます。これは本市のみならず全国的な課題となっており、各自治体もその対応策について検討を進めているところでございます。議員ご提案の滑り止めシートやシール、ストラップといった対応について、今後、国や他自治体、企業からの情報収集に努め、 財源の確保も含めた対応策を研究してまいります。教育委員会といたしましては、子供たちがICTを日常的な道具として使いこなしながら自分らしい学びを進めて いくことができるよう、これまで以上に充実したICT環境の整備に努めてまいります。

○斉藤健一議員 それでは、(2)教員の働き方改革の推進について。
文部科学省が推進する教員の働き方改革とは、教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることを目指すものとあります。特に冒頭の教師のこれまでの働き方の見直しについては、教員の負担軽減を図ることであります。教員の長時間労働が社会問題になってから、教育委員会も取り組んてまいりましたが、知人の教員に取材をしましたら、負担軽減をされた業務以上に新たな業務が増え、残業時間は減りましたが、負担軽減が実感できていないとの声を聞きます。現在、さいたま市は、年に数回、土曜日授業を行っています。他市では土曜日に授業を行った際には、一般企業の休日出勤と同様に月曜日に振替休日としています。さいたま市は、市立小・中学校管理規則の第3条第2項の休業日を除く日を 205 日以上の規定があるため、振替休日にならない土曜日授業があります。そのため、振替休日にならない月曜日は、先生も子供たちも疲労こんぱいの授業になっているとお聞きしました。教員の働き方改革として、この数字ありきの規定の見直しについて見解を伺います。

○竹居秀子教育長 斉藤健一議員のご質問の2、学校教育環境について、(2)教員の働き方改革の推進についてお答えいたします。
本市が平成 23 年度より、205 日以上の授業日数を確保する制度を導入した当時、学習指導要領において、指導内容の充実を図るため、授業日数は据置きのまま、小中学校全ての学年で年間 35 時間から 70 時間の授業時数が増加したことから、児童生徒や教職員の負担の増加が懸念されました。そこで、本市では、この制度を導入し、教師が児童生徒と向き合う時間や授業の教材時間の確保により、学校生活にゆとりを生み出すことに努めてまいりました。しかしながら、現在の教育現場には、議員ご指摘の働き方改革の観点はもとより、教科等横断的な学びや探求的な学びを通して、子供たちに今日的な課題に対応する力を身につけるために教育の質の一層の向上が求められております。このようなことから、令和 4年度文部科学省の調査によりますと、全国の 国立 小中学校の授業時数の平均は 202 日になっている現状でございます。現在、本市の教職員の約8割が負担を抱えているものの、約9割がやりがいを感じていることを踏まえ、本市にふさわしい制度について、校長会代表と教育委員会事務局幹部等で構成されている、さいたま市教育課程検討会議において協議をしているところでございます。教育委員会といたしましては、教員の働き方改革も踏まえ、教育の質をより高め、学習効果の最大化を図ることができるよう、本検討会議で引き続き協議を重ねてまいります。

○斉藤健一議員 (3)いつでも学び直しができる学校について。
さいたま市も増え続けている不登校の児童生徒が、不登校のまま学齢期を終えて中学校を卒業した後に環境等が変わり、もう一度学び直したい気持ちが芽生え、その気持ちに寄り添って学べる学校が求められます。市教育委員会も、不登校や病気等で長期欠席をしている児童生徒の学びの場として、不登校等児童生徒支援センター、Growth(グロース)を設置していて取り組んでおります。Growthが対象にしてい る児童生徒は、主に学齢期を終えていない不登校生であります。不登校のまま学齢期を終えて中学校を卒業した子供たちが、もう一度学び直しができる学校として公立夜間中学校があります。公明党会派では、今夏に札幌市立星友館中学校と京都市立洛友中学校、そして福岡市立福岡きぼう中学校、そして県内で開校しています川口市立芝西中学校陽春分校の公立夜間中学校を視察してきました。視察したどの夜間中学校も共通していたのは、生徒自ら学びたい気持ちを持って登校してくるので、その気持ちに全力で応えられるように、何より学んで、知らなかったことが知れる喜びを実感できるように、全教職員が一人一人に寄り添って取り組んでおりました。しかし、不登校のまま中学校課程を修了しましたと卒業証書を頂いた15 歳の子供たちは、夜間中学校を卒業しても中学校卒業生のままです。行政視察で訪れた夜間中学校の在校生は、10 代不登校の中学校卒業生よりも既に大人として社会人の生徒や在留資格の外国人が多いようです。また、私の周りの不登校の保護者は、本人の気持ちが何より一番大事ですが、できれば高校を卒業して正社員として就職してほしいと願っています。不登校またはGrowthに在籍のまま中学校を卒業した子供たちが安心して学び直しができる不登校対策の教育環境が整っている新しい高等学校があると、まだまだ自分の可能性を引き出せる進路先が広がると思います。そこで、不登校のまま卒業した子供たちが高校に通いながら学び直しができる新しいタイプの高等学校として、先月、広島市立広島みらい創生高等学校を視察してきました。この学校は、不登校対策として、従来の定時制、通信制課程の枠組みにとらわれない、フレキシブルスクールとして高等学校を編成しました。主な特徴としては、こちらの3点になります。まず、3年から8年で卒業。そして、時間割がありません。また、クラスも主にない。担任の先生がいない。いわゆるチューター制をしいております。また、こちら写真。不登校の子供たちを主に対象にしていますので、なかなか集団行動に慣れていない。また、周りに協調することがなかなか難しい。そういうときに子供たちがいざ一人になりたい、ちょっと逃げたいなというときに、それぞれ各階に、こうやって隠れる場所が設置してあります。大変不登校に特化というか、不登校の方が無理なく通える学校設備にもなっておりました。卒業に必要な 74 単位には含まれませんが、学び直しの講座としてステップアップ科目もあります。さいたま市は、不登校のまま学齢期を終えた子供たちがいつでも学び直しと人生の再スタートができる新しいタイプの高等学校など、誰一人取り残すことのない教育環境を整えていくことについて、市の見解を伺います。

○竹居秀子教育長 斉藤健一議員のご質問の2、学校教育環境について、(3)いつでも学び直しができる学校についてお答えいたします。
不登校のまま学齢期を終えて、地元の中学校から卒業証書を受け取った子供たちが、夢や目標の実現に向け、もう一度学び直したいという思いを強くしたときに、多様な学びの選択肢があることは、とても大切なことだと思います。特に多様な背景を持つ不登校生徒が次のステップを踏み出すためには、進路指導やキャリアガイダンスが重要になってまいります。本市では、これまでも不登校生徒の個性や学習状況をきめ細かく把握し、一人一人に寄り添った支援や生徒と保護者の希望に沿った様々な進路情報の提供に努めるなど、丁寧な進路指導を心がけてまいりましたが、今後は議員ご提案のような新しいスタイルの学校等の情報も積極的に 入手することも重要になってくると考えております。これまで多くの中学生が全日制の高等学校へ進学しておりましたが、近年は不登校生徒も含め、定時制や通信制の高等学校へ進学する生徒数が増加傾向にあり、進路選択は多様化してきております。その選択肢の一つに不登校生徒等を対象とした特別な選抜もあり、本市の市立高等学校も含め、原則全日制及び定時制の課程を持つ全ての学校学科で選抜要領に従って、各学校の実情に応じて受入れを行っているところでございます。しかしながら、進路選択肢のさらなる多様化は、子供たちの人生の再スタートの幅を広げることにつながることは間違いございません。議員ご提案の広島市立広島みらい創生高等学校でございますが、広島県と広島市が設置している高等学校の定時制課程及び通信制課程を共同で統合再編し、単位制と入学したコースの授業やスクーリングを受けることを原則とした制度を併せ持つ、新しいタイプの学校であると考えます。また、高等学校卒業後の学びや社会生活を営む上で欠かせない義務教育段階の基礎基本を学び直し講座として取り入れていることも大きな特徴と考えます。このような新しいタイプの学校は、生徒にとって個別最適な学び直しの場であると考えております。教育委員会といたしましては、議員ご提案の広島みらい創生高等学校の学び直しのプログラムについては、大変参考になると考えております。今後、一層多様化する進路選択や誰一人取り残すことのない教育環境について、国や他の自治体の動向を注視しながら研究してまいります。


○斉藤健一議員 3番、市民の健康長寿について、(1)セカンドライフ支援センターの拡充について。
さいたま市も 65 歳以上の人口比が8月1日時点で 23.2 %と、超高齢社会に入っています。年を取っても元気でいれば、やりたいことに挑戦できます。そして、人生の最後まで大きな病気もしないで、生きがいややりがいを持ってセカンドライフを歩むことができれば、幸せであると思います。さいたま市では、退職後や子育てで一段落した後の人生、セカンドライフについて、これからどのように過ごしたらよいか分からない、やりたいことはあるが相談先が分からないといった皆様の相談を受け付けているセカンドライフ支援センター、り・とらいふがあります。私の周りで、り・とらいふに相談してみたという声を残 念ながら聞いたことがありません。高齢者の皆様が生きがいややりがいを持ってセカンドライフを歩んでいくことができれば、心身ともに健康人生を送れると思います。まずは相談窓口として、受け身の相談窓口ではなく、 50 歳以上の全市民を対象にセカンドライフのアンケートで、り・とらいふの認知を図り、またキャリアコンサルタントが無料で相談できますので、各区役所で相談できるとよいと思いますが、今は浦和に拠点が1か所だけであります。窓口強化として、大宮エリアにも(仮称)り・とらいふ大宮拠点等の拡充について、市の見解を伺います。

○竹内善一福祉局長 斉藤健一議員のご質問の3、市民の健康長寿について、(1)セカンドライフ支援センターの拡充についてお答えいたします。
センターの認知度が低いとのご指摘につきましては、これまで市報さいたまへの定期的な掲載、区役所催事情報システムでの放映、り・とらいふウェブの運営を行ったほか、 65 歳の誕生月に市民の皆様へ送付している介護保険被保険証へのチラシの同封や、イベント、公共施設等でのチラシや冊子の配布により周知を行ってまいりました。今年度は、市民が利用しやすいウェブサイトとなるよう、り・とらいふウェブの改修を行うほか、市公式LINEなどのSNSを活用した周知を行うことを予定しており、さらに情報発信を充実させていくことにより、センターの認知度向上に努めてまいりたいと考えております。また、議員 ご提案のセンターの増設につきましては、現在、市民の相談をセカンドライフ支援センターの窓口のほか、電話、ファクス、ウェブで受け付けており、センターまで足を運ばずに予約不要で相談を受けることができる体制を整えているところでございます。令和4年度の実績では、約 7 6 %が電話やメールなど窓口以外での相談となっておりますので、現時点でのり・とらいふ大宮のような拠点の拡充については、検討はしていないところでございます。しかしながら、議員ご指摘のとおり、生きがいややりがいを持ってセカンドライフを楽しみ、人生の最後まで充実した生活を送ることは大切なことであると認識しております。引き続き気軽にご相談いただけるよう、相談者に寄り添ったセカンドライフ支援に努めてまいりたいと考えております。

○斉藤健一議員 (2)誰もが受けやすい歯科健診について。
市民の健康長寿を延ばす観点から、歯の健康状態を調べる歯科健診を定期的に受けることが望まれます。こちらを御覧ください。さいたま市の 40 歳から 70 歳までの方は、成人歯科健康診査を 700 円で受けれられます。しかし、受診率はこのとおり僅か 0.1 %で、健診が進んでおりません。これは令和3年度、令和4年度も、0.7 %と1%以下であります。一方、年齢とともに歯周病患者は増えていきます。厚生労働省の調査では、中等度から重度の歯周病を患う人の割合は 45 歳以上では約5割に及びます。歯周病は自覚症状がないまま悪化するのも特徴で、歯を失う原因の4割と最多を占めています。 80 歳になっても自分の歯を 20 本以上保とう、いわゆる8020運動は、自分の歯を残すことで食べ物をよくかめたり、栄養や味を楽しめたり、健康や生活の質を高めることができます。現在厚生労働省では、歯周病に関する歯科健診の受けやすさや有効性を複数の手法で検証するためにモデル事業を行っています。特に受診率アップでは、自治体が行う一般健診で唾液や舌から採取した検体から歯周病のリスクを分析できる簡易検査キットなど活用する手法を実施しています。実施された自治体では、約9割の方が受けやすかった 、 そして口腔ケアに無関心だった人の半数が関心を持つようになったとの回答を得ています。また、歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼすことが分かっていますので、モデル事業ではレセプトの情報などから糖尿病の患者らに歯科健診の受診を勧奨する取組も行われています。さいたま市においても、厚生労働省のモデル事業を参考にして、市民の健康長寿のために 誰もが受けやすい歯科健診の手法を取り入れて、受診率アップを図ることについて見解を伺います。

○細沼寛保健衛生局長 斉藤健一議員のご質問の3、市民の健康長寿について、(2)誰もが受けやすい歯科健診についてお答えいたします。
本市におきましては、平成 27 年3月に歯科口腔保健推進計画を策定し、生活習慣病の予防や介護予防の観点から歯と口腔の健康づくりに取り組んでおります。また、議員からご指摘のありましたとおり、歯周病は糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病と関連があり、全身の健康に大きく影響してくることから、セルフケアの習慣を定着することに加えて、定期的に歯科健診を受診するなど、プロフェッショナルケアと併せた口腔管理が重要となってまいります。本市の成人歯科健康診査につきましては、国の補助対象である40歳、50歳、60 歳、70歳の節目の年齢だけでなく、40歳から70歳の全ての市民の方を対象に実施しており、受診率は、先ほどご紹介のあったとおり令和4年度で 0.8 %となっているところでございます。なお、本市において令和3年度に市民約 6,000人を対象に実施した健康づくり及び食育についての調査によると、20 歳以上の歯科健診を定期的に受けている割合が、平成24年度の23.6 %から、令和3年度には35.1%となっており、市の実施する歯科健康診査以外での受診者も多くいると考えられるものでございます。議員からご提案をいただいた歯科口腔保健の推進に関するモデル事業につきましては、簡易な歯科検査を活用した歯周病ハイリスク者のスクリーニングやレセプト等のデータを活用して、より効果的な受診勧奨の方法を検証することなど、目的として実施されているものでございます。本市の歯科健診の受診率向上につい て検討するに当たり、当モデル事業も十分参考になると考えることから、今後事業概要等を精査するとともに、先行して事業を実施している自治体に対して事業の成果や課題、問題点を伺うなどし、本市としてどのように対応すべきかを考えてまいります。引き続き市民の健康増進に寄与する方策や費用対効果の高い取組を調査し、研究してまいりたいと考えております。

○斉藤健一議員 通告の質問、全部させていただきました。
特に冒頭の子育て支援については、さいたま市は子育て世帯の流入が日本一であります。実際さいたま市で子育てしているどの家庭も、やはりさいたま市が他市よりも一番支援が厚い。だから、子育て楽しいさいたま市だと。子育てしている当事者が自信を持ってそう言えるような支援、また政策を引き続き力強く前進させていただきたいということを申し上げて、私からの質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手起こる)